遺族年金はいくらもらえる?受給資格や計算方法をわかりやすく解説!

遺族年金はいくらもらえる?受給資格や計算方法をわかりやすく解説!

年金制度ってわかりにくいですよね。

特に『遺族年金』は普段あまり触れられない年金で、

  • 誰がもらえるの?
  • いくら貰えるの?貰えなくなることはある?
  • いつまでもらえる?

というような疑問がたくさんあると思います。

遺族年金という名前の通り、死亡により発生し、残された遺族の苦労をできるだけ少なくするのが目的です。

また、『生命保険の見直し』のときにも遺族年金はしっかりと理解しておかないと、無駄に保険料を支払うことにもなります。

この記事をキッカケに遺族年金をバッチリ理解しておきましょう!

筆者について
2級ファイナンシャプランナー!年金や保険の見直しはFPの得意分野! 会社に所属するFPではないので、保険の売り込みや勧誘は一切しません!『知らないとヤバイ、家計とお金』の話を包み隠さず公開します!

遺族年金とは?わかりやすく解説します!

遺族年金は、国民年金または厚生年金保険の被保険者または被保険者であった方が、亡くなったときに、その方によって生計を維持されていた遺族が受けることができる年金です。

参考:日本年金機構

遺族年金について、まず知っておかなければならないのが、

【国民年金または厚生年金の受給要件を満たしていること】

これが遺族年金制度の土台にあります。そして、

  • 国民年金の受給要件を満たす→遺族基礎年金
  • 厚生年金の受給要件を満たす→遺族厚生年金

このように、加入している保険によって、もらえる遺族年金の種類もかわってきます!

受給の条件は?いつまでもらえる?

遺族基礎年金と遺族厚生年金は受給の条件がそれぞれ違います。

ややこしくなりますが、自分はどの年金をもらえるのかを確認しておきましょう!

遺族基礎年金の条件

遺族年金を受給できるのは『国民年金に加入している』または『25年以上の加入期間がある人』で、残された遺族が『子のいる配偶者』と『子ども』です。

年金をもらえるのは、子どもが18歳になったあとに最初に迎える3月31日までです。

つまり、遺族基礎年金は『子どもの育英年金』と考えることができます。

遺族厚生年金の条件

  • 厚生年金の加入者が在職中に死亡したとき
  • 退職後でも、在職中に初診日があり、その傷病によって5年以内に死亡したとき
  • 障害厚生年金の受給資格者(1級または2級)
  • 老齢厚生年金の受給資格者(25年以上の加入期間)

上記の条件を満たした場合、

  • 妻(子のない30歳未満の妻は5年間の給付のみ)
  • 子、孫(18歳になったあとに最初に迎える3月31日まで)
  • 55歳以上の夫、父母、祖父母(60歳から受給できる)
ワンポイントアドバイス
死亡した人によって生計を維持されていた父母が受給対象です。配偶者の父母は対象外なので注意しましょう!

遺族厚生年金は、25年以上の加入期間or在職中に死亡した場合に支払われます。

遺族基礎年金よりも受給できる条件に幅ができましたが、それでもすべての人がもらえるわけではないんです。

ワンポイントアドバイス
死亡した当時、配偶者(妻)のお腹に赤ちゃんがいれば、その子も遺族厚生年金の受給資格を持っています。

自分がもらえる遺族年金はなに?

国民年金は、20歳~60歳未満のすべての人が加入するものです。

学生でも専業主婦(夫)、フリーランスや公務員、サラリーマンなど職業に関係なく加入が義務付けられているんです。

ということで、年金保険料の未払いがなければ誰でも遺族基礎年金の支給資格を持っていることになります。

一方の、厚生年金は会社員や公務員と、その配偶者(被扶養者)となっている人が加入しています。

自営業やフリーランスの人たちは厚生年金に加入できないので、遺族厚生年金の支給条件を満たしていないことになります。

遺族基礎年金 遺族厚生年金
自営業、フリーランス、学生

(第1号被保険者)

もらえる 資格なし
会社員、公務員、その被扶養者

(第2号被保険者と第3号被保険者)

もらえる 資格あり

遺族年金はいくらもらえる?

では、実際にどれくらいの年金がもらえるのかを確認していきましょう!

遺族基礎年金の計算方法

年金額は毎年のように変更されているので、細かく正確に計算したい場合は日本年金機構で年金額の確認が必要です。

とはいっても、そこまで大きく変化することはないので、ざっくりどれくらい?って人は調べる必要はないかと思います。

遺族基礎年金額は、

【780,100円+子の加算】で計算することができます。

子の加算とは、2人目までは1人につき224,500円が加算され、3人目以降は74,800円が加算されていきます。

例えば、

夫(死亡)、妻、長男、長女、次女、次男の場合は、

780,100+224,500+224,500+74,800+74,800=137万8,700円

年間で約138万円の遺族基礎年金がもらえることになります。

遺族厚生年金の計算方法

遺族厚生年金の計算方法は非常に面倒です。

日本年金機構のHPに計算式が公開されていますが、今までの自分の給料明細を確認しないと不可能です!

ということで、【年金定期便】の出番です!

年金定期便の『これまでの加入実績に応じた老齢厚生年金額』という欄に『年金額』が記載されていますね!

この金額の4分の3の金額が遺族年金として受給できる金額になります!

厚生年金の加入期間が25年未満の人

在職中に死亡した人や、障害厚生年金の受給資格者(1級または2級)に該当する場合は、加入期間が25年に満たなくても遺族厚生年金を受給できることができましたね!

この条件に該当する人は、加入期間がたとえば5年でも25年として計算されます。

『これまでの加入実績に応じた老齢厚生年金額』は、加入期間が5年だと当然、低い金額になってしまいますよね。

仮に8万円と記載されていたとしたら、

【8万円÷60カ月(5年)×300(25年)×4分の3=30万円(年額)】となります。

中高齢の加算ってなに?

  1. 夫が亡くなったときに40歳~65歳未満で生計を同じにしている子がいない妻
  2. 遺族基礎年金と遺族厚生年金を受け取っていた子のいる妻が、子が18歳に達して遺族基礎年金を受給できなくなった(40歳に到達した当時、遺族基礎年金を受け取っていることが条件)

上記のどちらかの条件に当てはまる場合、年額で585,100円が遺族厚生年金に加算されます。

この制度は年金を受け取る時期までの空白の期間を埋めるためのものですね!

40~65歳のあいだに夫が亡くなった場合、収入の減少分を補うのは難しいことです。

十分な加算額とは言えないにしろ、中高齢の加算で少しでもお金の負担を減らせるのは、ありがたいことだと思います。

遺族年金はどうやって請求するの?

遺族年金は【請求】しないともらえません。

自動的に事務処理が行われるわけではありません。

必要な書類

  • 年金手帳
  • 戸籍謄本
  • 世帯全員の住民票(マイナンバーがわかれば省略できる)
  • 住民票の除票(なくなった人の)
  • 子の収入がわかるもの(中学生以下は不要、マイナンバーがわかれば省略できる)
  • 死亡診断書
  • 通帳
  • 印鑑(認印)

用意する書類が多いですが、マイナンバーがわかれば、省略できるものもありますね!

どこで請求するの?

遺族基礎年金は、住んでいるところの市区町村役場の窓口で請求できます。

ただし、在職中に死亡した場合は、年金事務所または年金相談センターで請求することになります。

遺族厚生年金は、年金事務所または年金相談センターで請求することになります。

遺族年金を貰えなくなることはある?

  • 再婚したとき
  • 年収が850万円を長期的に越える予想ができる場合

この場合は、遺族年金が止まり、もらえなくなります。

年金は『収入の保険』ですので、収入を補える状況になれば、年金はなくなるってことですね。

月給30万円、35歳の会社員の夫が亡くなった場合

妻30歳、子ども3歳として計算していきます!

遺族基礎年金の金額は、

【780,100円+224,500円=100万4600円(年額)】

遺族厚生年金は、

『これまでの加入実績に応じた老齢厚生年金額』を42万円、加入期間を15年とすると、

【420,000÷180×300×4分の3=525,000円(年額)】

合算すると、

【1,004,600+525,000=152万9,600円(年額)】

となります。

つまり、月額で12万7,000円の遺族年金を受給できることになります。

この金額を考えると、生命保険でどれくらいの金額を用意するればいいのかもわかってきますね!

まとめ

遺族年金を受給できる条件は細かく決められているため、この記事を読んで、

『もしかしたら該当してるかも?』

と思った人は、住んでいる近くの年金事務所か年金相談センターに問い合わせるようにしましょう!

できる限りわかりやすく解説したつもりですが私自身、遺族年金を受給した経験がないため日本年金機構の資料を読み込み、執筆しました。

自営業やフリーランスの第1号被保険者の人は遺族厚生年金がもらえないですし、遺族基礎年金についても25年の加入条件があるため、なかなか受け取ることが難しくなっています。

会社員や公務員よりも『死亡したときの対処』をしっかりと考えて準備しておかないと残された遺族が苦しむことになってしまいます。

また、公務員や会社員の人でも遺族厚生年金だけでは残された家族が十分な年金を受け取れるとは言えません。

死亡のリスク対策が重要なんです!!

遺族年金は、一般的な年金よりもわかりにくく、受給条件を満たしているか微妙なケースも多いので、制度をある程度理解したら、電話等で問い合わせるようにしましょう!

年金・保険カテゴリの最新記事