投資をするなら税金のことは絶対に知っておかなければならないことですが、『税金』って難しい、ややこしい、わかりにくいってイメージがありますよね。
- 源泉徴収あり・なし?
- 確定申告しないとダメなの?
- 損益通算で節税?
このような『税金』に関する疑問を感じたことがある人は多いのではないでしょうか?
また、勉強をしていくと、NISAとウェルスナビを併用できないの?
といった疑問も出てきますね。
そこで、FPが『ウェルスナビと税金』の関係を真剣に考え、本当に最適化してくれるのかを解説します。
ウェルスナビの全体像を把握したい人は、
コチラの記事がオススメです。
ウェルスナビの『DeTAX』とは?税金最適化や確定申告について解説!
ウェルスナビと比較されることの多い『テオ』にはない、ウェルスナビだけの機能が『DeTAX』と呼ばれる自動で税金を最適化してくれる機能です。
難しい『税金』を自動で最適化してくれる点で、ウェルスナビを選んでいる人もいますね。
しかし、いくら自動とはいえ、『税金』は投資をするなら絶対に理解しておかなければならないことで、理解すればウェルナビの『自動税金最適化』が、どれくらい最適化してくれるのかがわかってきます。
結論から言うと、完全に最適化はできません!
投資で発生する税金って?
収入があれば税金を納めるのが、日本の税金制度で働いて給料をもらってる人は『所得税』を納めていますよね。
ん?と思った方は給与明細を見てみてくださいね。
所得税の税率は一律ではなく、所得の種類によって課税のされ方が違います。
で、投資における所得税の考え方は総合課税と分離課税に分かれていて、分離課税はさらに『源泉分離課税』と『申告分離課税』にわかれています。
投資で関係があるのは『分離課税』なので、総合課税は抜きで解説していきますね。
源泉分離課税って?
投資で収益を得る方法の1つに、『配当金』と『分配金』と呼ばれるインカムゲインがありますね。
このインカムゲインによって得られた利益には、20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)が課税されます。
例えば、5万円の配当金を得た場合、約20%の1万円が徴収され、自分の手元に残るのは4万円になるわけです。
申告分離課税って?
ウェルスナビが投資しているETFは上場投資信託と呼ばれるもので、市場が空いている時間なら自由に売買することができます。
例えば、10万円でETFを買って、15万円で売ると5万円が利益になりますね。ウェルスナビはAIが判断して自動で売買をしているので、売買益(キャピタルゲイン)がけっこう発生しています。
キャピタルゲインもインカムゲインと同じように約20%が課税されていて、上記の例でいうと、1万円が申告分離課税として徴収されます。
投資で得た利益の20%は徴収される
インカムゲインも、キャピタルゲインも利益が出たら同じように約20%が徴収されることを覚えておきましょう。
『利益が出たら』この言葉がキーワードなので、絶対に覚えておいてくださいね。
確定申告はしないとダメ?
会社員や公務員、主婦の方は『確定申告』についてあまり馴染みがないですよね。
基本的に確定申告をしなければならないのは、
- 医療費控除の適用を受ける
- 給与所得が2000万円以上
- 2つ以上から給与を受け取る人
- 退職金、給与以外で20万円以上の所得がある人
- 住宅ローン控除を受ける人(1回目のみ)
会社員や公務員なら、上記の項目に該当するときに『確定申告』をする場合が多いです。
投資で該当するのは、20万円以上の所得がある場合です。
しかし、投資で20万円以上の利益を得ている人の多くは確定申告をしていませんが、本当に大丈夫なんでしょうか?
特定口座なら安心です
投資を始めるときには、『特定口座』と『一般口座』のどちらかで、口座を開設することになります。
特定口座について何も知らないと、ついつい『一般口座』を開設してしまいがちですが、ここは特に注意が必要なポイントです。
特定口座って?
特定口座には、
『源泉徴収あり』と『源泉徴収なし』の2種類があります。
源泉徴収とは、簡単に言うと『天引き』のことで、投資によって得た利益で発生する20%の所得税を自動で天引きしてくれるものです。
例えば、5万円の利益が出た場合、20%の1万円が所得税になりますね。つまり4万円が純利益になります。
この4万円をあなたの口座に振り込んでくれるのが、『源泉徴収あり』の特定口座で、
5万円を振り込んで、所得税は確定申告をして自分で納めてねっていうのが、『源泉徴収なし』の特定口座です。
特定口座はこのような仕組な仕組みになっているため、多くの人が『源泉徴収あり』の特定口座で開設していて、初心者にオススメするのも『源泉徴収あり』になります。
じゃあ、一般口座ってなに?
一般口座は基本的には『源泉徴収なし』の特定口座と同じです。
ただし、大きく異なる点が、
確定申告に必要な計算書類を自分で用意しなければならない!という点です。
源泉徴収なし口座でも、自分で確定申告をして納税しなければなりませんが、投資に関する計算は証券会社がしてくれます。
しかし、一般口座の場合は全てを自分で計算するため、一部の人にしか恩恵はありません。
特定口座は便利だけど落とし穴も…
多くの人が開設している『源泉徴収あり』の特定口座ですが、わずらわしい計算や確定申告の手間を省いてくれて、とても便利ですが落とし穴もあります。
払う必要のない税金を納めることも
利益が出たら、そのすべてに対して20%を源泉徴収してくれますが、
例えば
月 | 利益 | 納付する金額 |
2月 | 5万円 | 1万円 |
6月 | 2万円 | 4000円 |
9月 | ー8万円 | なし |
12月 | 1万円 | 2000円 |
合計 | ±0円 | 1万6000円 |
例えば、年間の投資の結果が上記のような場合、
利益は出ていないのに、税金を1万6000円も納めていることになり、実質、損していることになります。
しかし、『源泉徴収なし』もしくは『一般口座』を使って投資をしていると、その年の損益を全て加味して計算する『損益通算』を行うことができます。
損益通算は、同一口座だけでなく違う会社の『証券口座』も通算することができます。
自分で確定申告をすれば、損益通算をして、納税額を0円にすることができるため結果だけを見るとお得になります。
確定申告で支払った税金は戻ってくる?
計算した結果、払わなくても良い税金を払ってしまった場合、確定申告をしたら税金は戻ってくるのでしょうか?
『源泉徴収あり』で納税した税金は基本的には戻ってきません。
ただし、年収が300万円以下の人なら、確定申告をして、ムダに支払ってしまった税金を還付してもらうことはできます。
オススメの口座は?
オススメは、
特定口座、源泉徴収ありの口座です。
特定口座(源泉徴収あり) | 特定口座(源泉徴収なし) | 一般口座 | |
税額の計算、書類作成 | 無し | 有り | 有り |
確定申告の有無 | 無し | 有り | 有り |
確定申告を自分で計算したり、必要な書類を用意するのは思っている以上に大変なことです。
特に投資初心者にとっては、確定申告に手間や時間をかけるよりも、投資の勉強をしたほうがはるかに効率が良いと言えます。
ということで、確定申告はウェルスナビに任せましょう!
ただし、中級者以上の人や、投資額が大きい人は、
特定口座の源泉徴収なしの口座がオススメになります。
口座は途中で変更できる?
口座の変更はできますが、
『その年にすでに分配金や売却益が発生していないこと』が条件になります。
また、マイナンバーや身分証の提出も必要になるので、今すぐに変更はできないものと思ってください。
外国で支払った税金が戻ってくる
海外の投資商品(ETF)で利益を得たら、10%が税金として徴収されています。
例えば、
海外ETFで1万円の分配金が発生したら、その10%の1000円を海外に支払うことになります。
さらに、残った9000円にも、日本で20%の税金が課せられます。
このときに発生した、海外分の10%を確定申告をすることで取り戻すことができるんです。
これを『外国税控除額』といいます。
投資額が大きく、海外に支払っている税金が多い場合は確定申告をしたほうが良いですね。
複利は最強の投資術
いきなり『うさん臭い見出し』になってしまいましたが、投資で『複利』は絶対に意識しなければならないポイントです。
複利とは、投資によって得られた利益を、再投資していく方法で、5万円で5%の利益が出た場合、2500円になりますが、その2500円を再投資して、5万2500円で運用していくといったものです。
例えば、100万円を10年間投資して年間で平均5%の利益を得たとします。
その結果をまとめると、
複利なし | 複利あり | |
1年目 | 105万円 | 105万円 |
2年目 | 110万円 | 110万2500円 |
3年目 | 115万円 | 115万7625円 |
4年目 | 120万円 | 121万5506円 |
5年目 | 125万円 | 127万6282円 |
6年目 | 130万円 | 134万96円 |
7年目 | 135万円 | 140万7100円 |
8年目 | 140万円 | 147万7455円 |
9年目 | 145万円 | 155万1328円 |
10年目 | 150万円 | 162万8895円 |
結果 | 50万円の利益 | 62万8895円の利益 |
このように、複利は利益をどんどん大きくしてくれるもので、資産を効率的に増やすためには『複利』は絶対に意識する重要なポンとです。
『源泉徴収あり』で投資をした場合、利益は全て天引きされているので、複利運用をすることができなくなってしまいます。
確定申告は面倒ですが、手間を惜しまず確定申告をして利益を少しでも大きくするんだ!という人は、『源泉徴収なし』『一般口座』で資産運用を始めることをオススメします。
ここまでのまとめ
- 源泉徴収ありだと結果的に税金の過払いが発生する可能性もある
- 利益と損失は通算して、税額を計算できる
- 複利の恩恵は『源泉徴収あり』では最大化されない
この3つが、『投資に関する税金』の覚えておきたいポイントです。
では、ここまでの説明をふまえてウェルスナビの『De-Tax』、自動税金最適化について考えていきましょう。
ウェルスナビの自動税金最適化って?
DeTAX(デタックス)とは、分配金の受け取りやリバランスなどによって生じる税負担の一部または全部を、保有銘柄の「含み損」を実現して「利益」を相殺することにより、税負担を翌年以降に繰り延べる機能です。
出典:ウェルスナビ
このように記載されていますが、もう少しわかりやすく解説していきますね。
ウェルスナビは、AIを使って自動で資産を運用していくれるロボアドバイザーです。
最新のアルゴリズムに基づいてポートフォリオを構築し、自動で売買をしたりして最適なポートフォリオを維持してくれる賢いロボですね。
ポートフォリオを組んでいるので、運用する資産は数種類あり、その中には『含み損』の投資先も当然ですが存在します。
また、ETFに投資しているので、分配金も得ています(インカムゲイン)。
それに、売買をしているので、売買益もあります(キャピタルゲイン)。
これらの、
- 含み損
- 含み益
- インカムゲイン
- キャピタルゲイン
を自動で計算して、含み損が出ているETFを意図的に売却して、『損失』を確定させ、トータルの利益を少なくして『節税』を実現しています。
頭よすぎ!
さらに、売却して『損失』を確定させたETFは、売却前と同じ状態になるように買い戻して、最適なポートフォリオを維持します。
『税負担を翌年以降に繰り延べる』とは、前述した『複利』の恩恵を最大化させるためのものなので、『負のイメージ』を感じますが、そんなことはありませんね。
完璧すぎ!ですが、節税に対してのデメリットがあるんです!
NISAに非対応
NISAは年間120万円まで、投資を非課税で行うことができる制度で、投資で得られる利益、
- 分配金・配当金
- 売買益
に対する約20%の所得税を免除することができます。
ウェルスナビが初めての投資の人は多く、年間120万円という枠は初心者には十分ですね。
しかし、ウェルスナビではNISAを利用することができません。
なぜ、NISA非対応なのか?
NISAは前述したように、120万円までの投資が非課税で行えますが、ウェルスナビを使うと120万円という枠はあっというまになくなってしまう可能性が高いんです。
ウェルナビの最低投資金額は10万円とされているので、120万円には遠く届きませんよね。
しかし、ウェルスナビはAIが自動でETFを売買しますし、税金を最適化するためにも売買を行いまう。
思っている以上に売買を行うため、120万円という非課税枠で運用することが難しいんです。
そのため、NISAは非対応となっているんです。
ウェルスナビのデメリットはなんとかひねりだしました。
正直に言うと、ウェルナビの自動税金最適化は非常に優秀で、デメリットを探すのが難しかったです。
NISA非対応をデメリットとしてあげましたが、ウェルナビ全体から考えると小さなデメリットだと考えられます。
投資に絶対の自信がある!という人はウェルスナビではなく、個人で投資を行う方がNISAを使うことができますし、資産運用にかかる手数料もぐっと低く抑えることもできます。
ウェルナビの、
- ノーベル賞受賞者のアルゴリズム
- 最新の金融アルゴリズム
- 自動資産運用
- AIの計算能力
これらより、優れた投資能力がある人にとっては、ウェルスナビは完全じゃないと思われるかもしれませんね。
まとめ
ウェルスナビのDeTAX(デタックス)についての紹介と、メリット・デメリットだけでなく、『投資と税金』についても解説させていただきました。
投資と税金は、切っても切れない関係で、絶対に知っておかなければならないポイントです。
ウェルスナビの税金に対する考え方も、『税金制度』を理解しての自動最適化ですね。
今回の記事で分かる通り、
源泉徴収ありの特定口座でウェルスナビを利用するのが、時間と節税を効率的に向上させることができるということです!
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