【簡単】贈与税とは?わかりやすくFPが解説!知らずに脱税の可能性も…

【簡単】贈与税とは?わかりやすくFPが解説!知らずに脱税の可能性も…

祖父母や父母から、教育資金や住宅の購入資金などをもらったら贈与の対象となり『税金』を支払うことになるかもしれません。

そのほかにも、

  • マイホーム購入時の登記割合
  • 生命保険
  • 債務免除
  • 離婚時の財産分与

これらも『贈与税』の対象になることもあります。

贈与を受けたら税務署に申告書を提出して、『税金』を納めなければなりませんが、すべての場合で申告が必要ではありません。

しかし、申告しなければならないのに、申告していないでいると遅延料金が発生したり財産の差し押さえ(給与など)など様々な影響が出てしまいます。

このような不都合を防ぐためには、どれが贈与で、どれが贈与ではないかをわかっていないといけません。

また、どれくらいの金額から贈与となるのかなどの計算方法も大切ですね。

贈与には、『非課税』という贈与税が免除されるケースもあるので、そこも合わせて覚えておくと完ぺきですね!

【簡単】贈与税とは?わかりやすくFPが解説!知らずに脱税の可能性も…

贈与ってそもそも何?

贈与は簡単に言うと、

Aさん『これ、あげるよ~』

Bさん『ありがと~』

これだけです。

このとき、Aさんのことを贈与者と呼び、Bさんを受贈者と呼びます。

贈与者が、自分の財産を無償でBさんにあげる意思表示(これ、あげるよ~)をして、それを受け入れる(ありがと~)契約のことをいい、書面と口頭のどちらでも成立します。

ただし、書面での贈与契約は取り消すことができませんが、口頭での贈与契約はいつでも取り消すことができます。

*すでに贈与が実行されたものについては取り消すことができません。

贈与は上記のような、タダで財産をあげることを言い、そのあげる財産によって贈与税の対象になったりしますし、贈与者と受贈者の関係によっても贈与の対象になることもあります。

贈与にも種類がいろいろある

贈与は単純に、自分の財産を誰かにあげることですが、贈与の仕方によって、

  1. 定期贈与
  2. 負担付贈与
  3. 死因贈与

この3つの種類に分別することができます。

まず、定期贈与は、

『孫が20歳になるまで、毎年100万円をあげよう』

というように、定期的に贈与を行うことを言います。

この場合20歳になると贈与契約の効力はなくなります。

『私が生きている限り、毎年50万円をあげよう』

という贈与契約であれば、贈与者が死亡することにより、契約の効力はなくなりますね。

定期贈与にもいろいろなケースがありますが、当事者のどちらかが死亡することによっても贈与契約の効力はなくなることになります。(*特約があれば別)

負担付贈与は、

『3000万円の家をあげるから、住宅ローンの残高1000万円も負担してくれ』

というような、負担という『条件』がついた贈与のことをいいます。

この場合、家をもらった受贈者が住宅ローンの残高の支払いをしなかった場合は贈与契約を解除することができます。

死因贈与は、

贈与者の死亡によって効力が発生する贈与のことです。

『私が死んだら500万円をあげよう』

というようなものですね。

間違いやすいのが『遺言』との違いです。

贈与は、記事の冒頭でも説明した通り、贈与者と受贈者の双方の合意があって成立するものですが、遺言は、一方の意思(死んだ人)で成立するものです。

注意点ですが、『死因贈与』は贈与という単語がくっついていますが、死亡により贈与されるものなので贈与税ではなく『相続税』の対象となります。

相続税と贈与税は計算方法が違うので、死因贈与と遺産相続のどちらが節税になるか確認して契約することがポイントです。

これって贈与?えっ、税金とるの?

贈与と考えていたものでも、場合によっては相続となることもありますし、所得となる場合もあります。

また、贈与の種類によっては課税されるものもあれば、非課税のものもあります。

なにが贈与なのか。どんな贈与に課税されるのかを把握しておきましょう。

贈与税の目的とは?

贈与を理解するためには、『贈与税の目的』を知っておくと理解が深まりますし、学習スピードも向上します。

贈与の目的は、

『相続税を免れる行為を防ぐ』

という、相続税の補完をする一面もあります。

例えば、1億円の資産を持つ親が死んだら配偶者や子どもに遺産が相続され、『相続税』が賦課されます。

法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

1億円の遺産だとしても、基礎控除や死亡保険金控除、配偶者控除などのを加味すると遺産1億円に対し丸々、課税されるわけではありません。

しかし、仮にそのまま1億円に課税されるとすると、

1億円×30%-700万円=2300万円

これだけの相続税を税務署に納めることになります。国にとっては大きな税収ですね。

では、もしも贈与税という考え方がなければどうなるでしょうか?

ほとんどの人は、相続税で2300万円を納税するくらいなら、生きているうちに財産をあげて、遺産相続0円にしてしまおう!

と考えますよね。

このように、相続税を免れるのも防ぐために、贈与税があるんです。

課税対象の贈与って?

基本的な考え方は、

お金で見積もれるものを無償であげるもの

が贈与税の対象になります。

そのほかに、『みなし贈与』というものがあります。

贈与の形式をなしていなくても、贈与と同等の利益があるものは『贈与税の対象』として考えます。

具体的には、

  1. 信託財産
  2. 生命保険金
  3. 低額譲渡
  4. 債務免除

信託財産とは、投資信託などのことで、自分の財産を預けることにより利益を得る方法のことです。

投資信託については、

コチラの記事で紹介しているので参考にしてみて下さい。

生命保険金は、毎月保険料を支払って、死んだときに残された家族にお金を残して、生活を安定させるものですね。多くの人が生命保険に加入していますね。

信託財産と生命保険金は、『みなし贈与』として同じように考えることができます。

お金を支払う人と、それにより得られる利益を受け取る人が違う場合、贈与の形式をとっていなくても、受取人にしてみれば無償で利益を得たのと同じように考えられますね。

このような仕組みになっている場合は、贈与として課税の対象になります。

低額譲渡は、

実際の金額よりも低い金額で売却したときに、その差額について贈与があったものとみなし、贈与税を課税するというものです。

例えば、時価1億円の家を息子に2000万円で売却する場合、

1億円ー2000万円=8000万円

家を2000万円で購入した息子にしてみれば、8000万円分の利益を得たことになりますね。

この8000万円が贈与とみなされ、8000万円に対して課税されることになります。

生前贈与で相続税対策をしようとしても、『みなし贈与』により高額の贈与税を支払う可能性もあるため慎重に行いましょう。

また、このケースでは家を売却した親にも所得税が課税されることもあります。

時価1億円の家だとしても、30年前に1500万円で購入していたとしたら、売却価格の2000万円との差額、

2000万円ー1500万円=500万円

500万円の利益があったとして、課税されることになります。

つまり、

親には所得税、息子には贈与税が課せられてしまうんです。

債務免除は、

『借金の1000万円に対する利子はいらないから、きちんとお金を返して!』

といった場合、1000万円に対する利子を免除されているため、その分が債務者の『利益』と考えることができますね。

このように、債務を免除することにより、その債務と同等の利益を得たとして、贈与税が課せられます。

ただし、債務免除をされる場合は、債務者が金銭的に困っているケースが多いです。

そのため、債務免除された部分に対する贈与税の支払いも経済的に厳しいこともありますね。

このような場合では、支払いが困難と考えられる範囲で、贈与税が免除されます。

贈与税が非課税になるもの

法人からの贈与財産は、

法人からの贈与は、贈与税は非課税ですが、所得税や住民税の対象になります。

まず、法人と雇用関係にある場合は、給与所得として扱われます。

反対に、雇用関係がない場合は、一時所得として扱われます。

一時所得は、得た利益から50万円を控除した金額の半分が総所得に加算されます。

雇用関係にある場合は、給与所得として計算されるので、会社からのお給料に贈与された金額も加算して計算していきます。

ちなみに、給与所得には65万円の給与控除があります。

親から子供への教育費や生活費も、

非課税として考えることができます。

扶養義務者とは、具体的には親などの、『面倒を見る人』ですね。

子どもを育てるのにはいろいろなお金がかかりますよね。食費や学費、お小遣いなどです。

これらは、子どもからしてみれば無償で親からもらえるものですが、贈与税を課すのはあまりにもせちがらいですよね。

ということで、扶養義務者からの贈与は非課税になっています。

しかし、1人暮らしをしている子どもに仕送りをして、そのお金を株式投資などに使うと贈与とみなされ課税の対象になるのでご注意を。

離婚時の財産分与は、

通常の場合は贈与税は非課税として考えられます。

財産分与は、夫婦2人で積み上げてきた財産を分け合うものです。

たとえば貯金500万円あったとして、その金額の全部が夫の給料からの貯金だとしても、夫婦2人のものと考えるのが財産分与の考え方です。

なので、夫250万円、妻250万円のように分け合ったとしても、夫婦どちらにも贈与税はかかりません。

しかし、どちらか一方に過大に財産が分与された場合は贈与税が課税されることになります。

相続開始前の3年以内の贈与は、

贈与税ではなく相続税の対象になります。

しかし、相続時に『相続の対象になっていない』ときはそのまま贈与税の対象として扱われることになります。

そのほかにも、香典やお見舞金、祝い金などの社交場必要なものについては贈与税の対象とはなりません。

生前贈与にも使える非課税制度って?

贈与税は、

相続税を免れる行為を防ぐためのもの

でしたね。

でも、財産の種類によっては生前贈与を活用したほうが節税になることもあります。

毎年110万円の控除を活用する

贈与税の計算は、1月から12月の間に贈与されたものの合計金額に対して課税されることになります。

計算式は、

(贈与財産の合計ー110万円)×税率で計算されます。

この『110万円』は贈与税の基礎控除と呼ばれるもので、毎年この控除をうけることができます。

つまり、贈与財産の合計が年間で110万円以内だったら、贈与税は0円ということになります。

この基礎控除を利用して生前贈与を活用することにより節税することができます。

ただし、相続開始前の3年以内の贈与は『相続税の対象』になってしまうので、その点に注意しておきましょう。

配偶者は税制で優遇されている

居住用の不動産やその購入資金を贈与された場合、婚姻期間が20年以上で引き続き居住するという条件を満たせば、基礎控除110万円に加算して、2000万円の控除を受けることができます。

20年というとかなり長いと感じるかもしれませんが、偽装結婚等の問題を防ぐために20年という長い期間が設定されているんですね。

相続時精算課税制度はメリットなし?

相続時精算課税制度は、贈与にたいして、2500万円の非課税枠があり、2500万円を超える部分に対して一律で20%の税率が課せられるというものです。

2500万円というと、贈与税の基礎控除110万円を大きく上回る控除額ですが、適用するには条件もありますし、落とし穴もあります。

相続時精算課税制度を受けるための条件は、

  1. 60歳以上の父母・祖父母から、20歳以上の子・孫に対する贈与であること
  2. 税務署に届け出を出すこと
  3. 贈与する財産に対する制限はない(金、株、不動産なんでも可)

条件については、親や祖父母からの贈与であれば適用することができそうですね。

しかし、問題は『落とし穴』と呼ばれる部分です。

相続時精算課税制度を適用すると、その後の贈与の全てにも適用されるということです。

つまり、毎年110万円の基礎控除を受けることができなくなるんですね。

↓基礎控除のイメージ↓

贈与額 支払う税額
1年目 110万円以内 0円
2年目 110万円以内 0円
3年目 110万円以内 0円

↓相続時精算課税制度のイメージ↓

贈与額 支払う税額
1年目 1500万円 0円
2年目 1000万円 0円
3年目 110万円 22万円

2500万円を超えた部分に対しては一律20%の税金が課せられるので、

110万円×20%=22万円となります。

また、相続時精算課税制度を利用して、2500万円の贈与を受けた場合は、贈与時は非課税になりますが、贈与者が死亡した場合は相続時精算課税制度を利用して贈与した金額についても相続税の対象となるんです。

例えば、贈与者である祖父の資産が8000万円だったとします。相続時精算課税制度を利用して2500万円を孫に贈与すると祖父の資産は5500万円になりますね。

その5年後に祖父が亡くなると、5500万円の遺産プラス、相続時精算課税制度を利用して贈与した2500万円の計8000万円で相続税の計算がされることになります。

つまり、贈与により発生する税金を後延ばしにして、相続時にまとめて払います。というのが相続時精算課税制度なんです。

『2500万円まで非課税』とうことで、かなりの節税になると考える人がいますが、実は節税でもなんでもなく、納税を先延ばしにするだけなんですね。

さらに、前述したように、相続時精算課税制度を利用すると、今後ずっと『基礎控除110万円』が適用されなくなります。

節税どころか、場合によっては多くの税金を納めなければならないということです。

相続時精算課税制度を適用する場合は、制度の仕組みをしっかりと理解しておきましょう。

住宅取得資金の贈与は、

父母または祖父母から贈与を受け取る場合は、700万円の非課税を適用することができます。

これは、基礎控除110万円や相続時精算課税制度の2500万円の非課税枠に加算して適用することができます。

さらに、良質な住宅(省エネ、耐震、バリアフリーなどの日本住宅性能基準を満たすもの)の場合は500万円の非課税枠が加算されます。

中古物件を取得する場合は、築年数が25年以内で耐火建築物であれば適用することができます。

結婚資金や子育て資金は、

父母・祖父母から贈与を受ける場合は、1000万円の非課税枠があります。

贈与税の納付方法

ここまでは、支払わなければならない贈与税の仕組みについて解説してきましたが、ここからは贈与税の支払い方を紹介していきますね。

贈与税は、贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までに、受贈者の所在地にある税務署に届け出を出さなければなりません。

2017年2月に贈与を受けた場合は、2018年の2月1日から3月15日が届け出の期間になりますね。

基本は現金納付

贈与税の支払い方法は『金銭一括納付』が原則になっています。

贈与を受けた財産からあらかじめ贈与税として支払う金額を手元に残しておけば納税に困ることはありませんが、贈与されるものは現金とは限りませんよね。

不動産など、すぐに現金化できない財産の贈与を受けた場合は、金銭一括納付が経済的にかなり厳しくなることもあります。

そこで、贈与税の納付には『延納』が認められています。

納税を延納するためには?

  1. 税額が10万円以上
  2. 金銭一括納付ができない経済的な理由
  3. 100万円以内の担保を用意する
  4. 延納申請書を提出して許可を得る

上記4つを満たせば、最長で5年の延納をすることが可能です。

また、担保については、延納が3年以内であれば用意する必要もありません。

まとめ

贈与税は、知らないうちに発生している可能性もあります。

『えっ!これって贈与税かかるの?』

税務署に申請をしていないと、給料や財産の差し押さえや遅延料の支払いなどの不利益を被ることも。

相続税や贈与税、生前贈与などは難しそうで税理士さんなどの専門家に相談しないと自分で判断できないと思うかもしれませんが、相談にも『相談料』がかかります。

今回の記事で紹介した贈与の基礎知識を身につけておくだけで、自分である程度の判断ができるようになると思います。

贈与する側だけでなく、受ける人も制度の仕組みを理解して賢く節税しましょう。

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