株価は日々、こまかな上下を繰り返していますが、突発的に株価が激しく上下することがあります。
株価が変動する要因や、どんなときに株価が大きく動くのかを知っておくことは、投資をするなら絶対に知っておかなければならないことです。
ということで、代表的な株価変動要因について紹介していきます。
株価を大幅に変動させる、QUICKコンセンサスやゴーイング・コンサーンとは?
株価が大きく変動する要因とは?
株価が動く仕組み
まずは、『なぜ、株価は変動するのか?』ということを理解しておきましょう。基本的なことですが、きちんと復習しておくことで、投資を深く理解することができるようになります。
まず前提条件として、株価を決定するのは会社ではありません。
決めるのは『第3者』です。
会社が、
『わが社の価値は100億円ですよー!』
と言っても、株式を購入する投資家が50億円の価値しかないと判断すれば、その会社の価値は50億円になりますし、
反対に150億円の価値がある!と考えれば、その会社の価値は150億円になります。
会社の価値=株価
第3者が会社の価値を決め、株価が決まるという前提条件をしっかりと頭に入れておきましょう。
投資家の需要による
株価は需要と供給のバランスで決まっています。
需要とは、投資家の『買いたい』と思う気持ちで、供給とは『会社が発行する株式』です。
投資家が買いたいと思えば需要が高まり株価は上がります。
反対に投資家が買いたくない、売りたいと考えれば需要が少なくなり株価は下がっていきます。
このように需要と供給のバランスで株価は決まっていきます。
会社の業績によるもの
株価が動く要因の1つに『業績』があります。
- 会社の業績が良い
- 次年度以降も成長する
- 利益を多くあげている
これらの要因で、会社の価値はあがり株価は上昇していきます。
なぜ業績がいいと株価が上がるかは、先ほど説明した通り、投資家が『買いたい』と思うからですね。
無数の要因たち
株価が動く要因は、基本的には、需要と供給のバランスによるものですが、その他にも様々な要因で株価は変動します。
- マクロ景気
- 金利
- 為替変動
- 政策
- 戦争、災害
- 流行
これらの要因が複雑に絡み合い株価は変動しています。
これらの要因はファンダメンタルズと呼ばれ、多くの投資家が情報収集をして投資の判断材料にしています。
一方で、株価のチャートを見て判断する方法をテクニカルと呼びます。
テクニカル分析を重要視して投資する人もいますし、専門の本や情報もたくさんあります。
株価の基本的な知識
株価について理解するためには、
前提として、株価は第3者が決めるもの。
そして、需要と供給のバランスにより株価は決まり、業績が良い会社だと投資家は株式を『買いたい』と思い株価が上昇します。
反対に、業績が悪かったり次年度以降の成長や利益が見込めない場合は、株価は下がることになります。
また、政治的な要因や、そのときどきの流行によっても大きく変動します。
仮想通貨が話題になっているときは、セキュリティ関連の株が注目を集めますね。
これらが株価に影響を与える基本的な要因になります。
では、ここからが本題ですね。
株価が大きく動く『サプライズ』と呼ばれるものについて紹介していきます。
QUICKコンセンサス
アナリストと呼ばれる株の分析を専門にしている人が数多くいます。その人たちの予想した平均値をコンセンサスといいます。
その中でもQUICKとは、日経グループの金融情報を発信する会社が出している情報で『QUICKコンセンサス』と呼ばれます。
QUICKコンセンサスがカバーしている銘柄は時価総額で全体の9割を超えていています。
企業も業績予想を出している
アナリストは、独自の調査や分析により業績や株価の予想をしていますが、企業ももちろん同様のことを行っています。
しかし、企業が出す予想とアナリストが出す予想は食い違うことが多いです。どちらが正しいかというと、なんとアナリスト予想の方が正しいケースが多いんです。
株価に与える影響
では、QUICKコンセンサスが株価にどのような影響を与えるのでしょうか?
多くの投資家は、より正確で信用性のあるコンセンサスを信用して株式投資をします。
しかし、会社が実際に発表した予想とずれていた場合、株価が大きく変動することがあります。
もっと詳しくいうと、
企業の業績が、QUICKコンセンサスの予想を上回ったか下回ったかで株価が変動します。
株価は、将来に向けた期待値で動いているため、実際の価値とのズレを起こすことがあります。
このズレがサプライズとなり株価に大きな影響を与えるんです。
QUICKコンセンサスで検索するとアナリストの予想を調べることができるので、投資をする際はチェックしておきましょう!
業績予想
投資家は、会社の将来の成長に期待して投資します。
つまり、株価も現在の業績よりも、未来の業績予想により決まっています。
株式投資で1番のリターンとは?
なぜ未来の業績予想を重要視するのでしょうか?
株式投資によるリターンは大きく4つで
- インカムゲイン
- キャピタルゲイン
- 配当金
- 株主優待
この中でも1番のリターンが期待できるのがキャピタルゲインです。株式売買によるリターンですね。
誰も注目していないようなお宝株や、実際よりも低く評価されている銘柄、これからどんどん株価が上がっていきそうな銘柄などを『安い株価』で購入し、株価が上がったときに売却して、その差益を得る方法です。
キャピタルゲインは、このように、将来値上がりしそうな株を売買する方法で、重要なのは将来の業績ということになりますね。
業績修正とは?
業績予想は、文字通り会社が発表する業績の予想になりますが、予想通りに業績が安定するわけではありません。
そこで、予想よりも一定値以上の修正が必要となった場合には『業績修正』を行います。
一定値とは、30%以上の増減のことで、3割ルールと呼ばれています。
当初の業績予想よりも下方修正される場合は、投資家に失望感を与えることになり株は売られ、株価が下がる要因になります。
ゴーイング・コンサーン
決算資料に『継続企業の前提』と注記されることがあります。
この言葉だけでは何のことを言っているのか、ハッキリ言ってわかりませんよね。
でも、実はとても重要な注記なんです。
継続企業の前提とは?
会社は法律上『法人』となっており、法の下では人と同じように扱うとされています。
しかし、人とは違い寿命がないので、永久に死なないという前提が成り立っています。
『継続企業の前提』のことをゴーイングコンサーンといい、この注記がされると、
『会社は死なない』という前提が崩れそうということになります。
つまり、倒産の危険性があるということです。
『継続企業の前提』という言葉だけだと、なんだか長く続く企業なんだなぁと思ってしまいがちですが、実は倒産のリスクがあるという重要な注記だったんです。
監査人がつきつける!
ゴーイングコンサーンを決めるのは監査人と呼ばれる人です。
決算やコンプライアンスに目を光らせている外部機関ですね。
ゴーイングコンサーンが注記されたからと言って、必ず倒産するだけではなく、
『このままの状態が続くと倒産するかもしれませんよ』というように、投資家に注意を促している状態です。
注記されたからと言って慌てる必要はありませんが、注記の内容や企業の対応策を確認して株式投資の判断をするようにしましょう。
まとめ
今回の記事では、
- 株価が変動する基本的な要因
- QUICKコンセンサス
- 業績予想
- ゴーイングコンサーン
この4つについて紹介してきました。
まずは、株価変動の基本的な知識をつけることが大切です。
それから3つの大きな変動要因(サプライズ)について覚えていきましょう。
これらのサプライズは積極的に情報を収集しないと見落とされるかもしれない情報です。
しかし、株価にあたえるインパクトは大きくとても重要です。
気が付いたら株価が暴落していて、損失が出てしまったー!ということがないように普段から新鮮な情報を仕入れるように心がけておきましょう。