今回のテーマは『太陽光発電』を利用した土地活用です。
太陽光発電は数年前に大きな話題となり、住宅街の屋根にも多くのソーラーパネルを見ることができました。
実は私も、ソーラーパネルを設置した一人です。
土地活用で太陽光発電って正解?メリットとデメリットを全て教えます!
以前は人気の太陽光発電でしたが、売電価格の低下等により人気も落ち着き下火のようにも感じます。
しかし、土地活用を考える上で、太陽光発電は有効な方法の1つとして挙げることが出来ます。
ということで、太陽光発電による土地活用のメリットやデメリットを紹介していきます。
土地活用としての太陽光発電とは?
土地の活用方法は、大きく分類すると
- 売る
- 貸す
- 建築・工事
- 信託
- 共同活用
にわけることができます。
土地といっても、大きさや場所によって活用方法が大きく変わってきます。
例えば、繁華街で更地の土地を農地と活用する方法は、どう考えても非効率です。商業ビルなどを建ててテナントを募集して家賃収入を得る方が利益を大きく上げることが可能です。
極端な例えになりましたが、土地活用を検討する上で、この考え方は非常に重要になってきます。
記事の冒頭で伝えたように、マンション経営や駐車場としての活用は主に都心部で有利です。
では、田舎での土地活用はどうでしょう?
人口が少ない地域にマンションや駐車場を建設しても利益を上げるのは難しそうです。かといって売却するにしても地価が安いのでもったいない気もします。
このように都心から離れた郊外に土地を持っている人は、活用方法がわからず『そのまま』にしているケースが多いです。
しかし、土地は『持っているだけ』で固定資産税という税金を納めなければなりません。
放置していると土地は荒れてきますし、近隣住民とのトラブルの種になる可能性だってあります。
そのような土地を持っている人にオススメしたいのが太陽光発電による土地活用です。
なぜ太陽光発電なのか?
太陽光発電は、都心から離れた郊外や周りに何もないような土地に有利な活用方法です。
周りに何もないということは、直射日光をソーラーパネルにたくさん当てることができます。都心の場合はビルや高速道路、近隣住宅により日光を遮られることが多いですが、郊外の土地にはそんな心配はありません。
日照条件が非常にいいのが太陽光発電の大きなメリットになります。
私も実家に帰ると、大手企業がメガソーラーシステムで発電している様子を何度も見たことがあります。大手が太陽光発電を活用しているということは、それだけメリットがあるとも言えます。
ただし、大手の企業は売電による利益よりも環境に配慮するために太陽光発電を活用している側面もあります。
太陽光発電のメリットやデメリットは?
なぜ、土地活用として、太陽光発電を利用するか?理由がわかったところでメリットとデメリットを紹介していきます。もちろんデメリットもあるので、メリットだけを読んで先走らないように注意して下さい。
売電価格は固定、保証される
まず初めに、売電価格は、住宅用に設置して余った電力を売る場合と、初めから全てを売電するための設置では、価格が違うことに注意して下さい。
私が自宅にソーラーパネルを設置したときには1kwh42円で売ることができましたが、売電価格は年々下がっています。住宅用の太陽光発電の場合、2017年は28円で、2018年は26円になっています。
半額以下になっています。
発電した電気を全て売電する場合は、2017年は21円、2018年は18円となり、今後も下がっていく可能性があります。
売電価格の減少が、ソーラーパネル離れの一因になっていると考えられます。
が、これは誤った認識です。
売電価格は、ソーラーパネルを設置して契約した時点での価格が20年間保証されています。
これは、国の施策ですので間違いありませんん。
利益を上げることは可能?
売電価格が固定されるといっても、これだけ売電価格が下がっていれば利益をあげることは難しいのでは?と疑問になるかもしれません。
以前は住宅用で、1kwh42円だったのに今では18円まで下がっています。
2012年 | 40円 |
2013年 | 36円 |
2014年 | 32円 |
2015年 | 29円 |
2016年 | 24円 |
2017年 | 21円 |
2018年 | 18円 |
売電価格は、10kw未満か以上かで違い、投資用の10kwは家庭用に比べて安くなっています。
下がり続けていて、1度も上がったことがありません。
しかし、これだけ下がっていても利益をあげることが可能な理由が2つあります。
1つ目は、設置費用が安くなっているという点です。
売電価格が下がった理由は、設置費用が減少したためです。
世界的に環境への意識が変わり、時代はエコを意識したものに変化していきましたよね。車が代表例でハイブリット車や電気カー、水素燃料など、どんどんエコに進化しています。
太陽光発電もエコを意識したもので国が推奨して設置台数を増やすために売電価格を高額にしたり、補助金を出していました。
メーカーもどんどん設置してもらうために開発していき、結果としてコストを抑えることができるようになりました。
安く設置できるなら売電価格も安くしようという考えなんです。
売電価格が安くなっても、損益分岐点は変わらない?
売電価格が安くなりましたが、設置費用も安くなりました。ということは損益分岐点も変わらないということになりますよね。
太陽光発電を導入した場合の損益分岐点は10年と言われています。
この10年は基準であり、昔と変わらないんです。
パネルの寿命はどれくらい?
気になるのがやっぱり寿命ですよね。
太陽光発電は10年で元が取れる計算になっていますが、肝心の機械がどれくらいもつのかが重要な判断材料になります。
よく耳にするのが10~15年という年数です。
この年数はパワーコンディショナーという変換装置の寿命です。たしかにメーカーのサイトを見ても10~15年と書いてありますが、修理に何十万、何百万もかかるようなものではありません。
数万円ほどで対処できる場合がほとんどとのことです。
パネル自体の寿命は、環境により様々ですが30年以上問題なく稼働しているパネルもあります。
また、損益分岐点が約10年ですが、メーカーの機械補償は15年が一般的です。
ということは、15年は安定して稼働することが見込めるということですね。
節税効果もあるって?
青色申告をしている人に限られますが、グリーン投資減税という制度を活用することにより、
- 設備取得金額の7%の税額控除
- 取得額の30%を追加で償却できる
- 全額を即時償却できる
これらの優遇を受けることができます。
土地活用として、太陽光発電を利用する場合は個人事業主となるので青色申告をすれば上記の優遇制度を利用することができます。
主なデメリットは?
メリットがあればデメリットもあるのが常です。
主なデメリットは、
- 自己資金がないとローンを組むことになり、利息により利益率が下がる
- 5年後、10年後も今の日照条件が続くとは限らない
- 長期に渡りソーラーパネルを設置するため、簡単には活用方法を変えられない
- パネルの反射によるトラブルの可能性もある
- 業者が多いため、信用できる業者を探さなければならない
- 屋外設置のためメンテナンス費用がかかる
- 場所によっては追加工事が必用
- 売電できない可能性もある
上記のデメリットが考えられます。
ローンは利益得率の低下につながる
太陽光発電の設置には、数百万円の費用がかかります。
現金で購入できる余裕のある人なら問題はないのですが、数百万を用意するのは簡単なことではありません。
多くの場合、『融資』を受けて、パネルを設置することになりますが、この融資にかかる『利息』が利益率を大きく下げてしまいます。
一般的に、金利は2.5%となっています。
例えば、700万円の太陽光発電システムを購入して場合、15年ローンで返済総額840万円になります。
融資を受けるか、自己資金で準備するかで140万円もの差があり、この差はかなり大きいと言えます。
自己資金を用意できなくても、業者によっては自社ローンを用意しているので、ローンの審査には通りやすいですが、利息の支払いというデメリットをしっかりと考慮しておきましょう。
10年後はどうなるかわからない
日照条件も10年後はどうなるかわかりません。近くに高いビル等が建ってしまうと発電効率は下がり、当初の予定と狂うことが予想されます。
発電量と日照条件は密接な関係にあります。ちなみに太陽光発電は雨の日で太陽が見えなくても発電はします。
変更が難しい!
太陽光発電は長期で運用していくので、途中での用途転用は難しくなってきます。撤去する場合も費用がかかるので、太陽光発電以外の活用方法がないか十分に検討しなければなりません。
『不動産の流動性』は資産運用を考える上で重要なことです。
信頼できる業者は時間をかけて探す
業者選びですが、近年、倒産する業者もあり不安要素はあります。
業者が倒産してしまうと、メーカー補償もなくなってしまうため、故障時に多額の費用がかかる可能性もあります。また、施工が不十分な業者もあるため契約前のリサーチがとても大切です。
業者とのトラブルもあるので慎重に検討していきましょう。
設置後も費用がかかる
ソーラーパネルは屋外に設置されるため、粉塵等がパネルに乗り効率を下げてしまうため定期的に清掃等の手間もかかってしまいます。
大規模になればなるほど、自分で清掃をするのは難しくなってきますし、設置場所によっては外注をしなければなりません。
また、土地は所有しているだけで『固定資産税』がかかります。
田舎の土地であれば比較的安い税金ですが、ラーニングコストとして考えなければなりません。
田舎すぎると…
設置する土地の近くに電線がないような場所だと、そもそも太陽光発電を設置することができません。どうしても設置したいとしても、追加の工事費用も発生してしまいます。
また、登記簿上で『農地』となっている場合は『農地転用』をしなければなりません。
行政書士に頼むと10万円ほどの費用が発生しますし、太陽光発電が周囲の農地に悪影響を与えていないかどうかを調べて報告する義務もあります。
売電できなくなる?
発電した電気は『電力会社』に売ることで収益になります。
しかし、電力会社が『買わない!』と言い出す可能性もあるんです。
これは、電力会社の接続可能量を、売電したい人が上回ると『買わない!』という事態になるんです。
実際に、2014年に接続を保留した電力会社もありました。
電気を売ることができない=マンション経営の空室と同じことになります。
また、『売電する人の責任』となるので、電気が売れなかったとしても責任は自分にあるということになります。
このようなデメリットも多々あります。
メリットとデメリットを考えるとともに、他の活用方法も検討し、場合によっては『そのまま』にしておくという選択肢もあります。
そもそも太陽光発電に向いていない土地とは?
太陽光発電は田舎の土地ほど向いていると言えますが、たとえ田舎であっても太陽光発電に向いていない土地もあります。
50坪以下の土地
土地活用として太陽光発電を考えているのであれば10kwのサイズは欲しいところです。
しかし、50坪の土地で10kwの発電システムを設置するのは難しいのが現状です。
日当たりが悪い場所
当たり前ですが、日当たりは最も重要な要素となります。
特に、相続で引き継いだ土地だと、実際に見たこともないケースもあるでしょう。
地図上で得る情報と、現地で得る情報ではまるで違うものになります。
山や木、谷地など時間帯によっては日陰になる時間が長い場所だと、その分発電効率が悪くなり、利回りも当然わるくなります。
まとめ
土地の有効活用は様々な方法があり、その土地に合う活用方法を選択していくことで利益をあげることができます。
重複しますが、主な活用方法は、
- 売る
- 貸す
- 建築・工事
- 信託
- 共同活用
です。
今回紹介した太陽光発電だけでなく、上記の方法も検討し総合的に判断して運用方法を決めていきましょう。
私の意見としては、郊外の土地であれば、太陽光発電をオススメします。