毎月、安定した不労所得のために。
毎月の給料に+数万円を。
老後に備えた資産形成や、相続税対策のために。
不動産投資を始める理由はいろいろあり、中でも『不労所得』という言葉には大きな魅力を感じますね。
いろいろなメリットもありますが、メリットだけに目がいってしまうと、リスクやデメリットなどをおろそかにしてしまい、不動産投資に失敗する可能性もあります。
なかでも、『初期費用』は見落とされがちで、これらの諸費用をしっかりと考慮して投資物件を選ぶことも不動産投資を成功させる重要な要素になります。
不動産投資に必要な『初期費用』には何がある?
不動産投資を開始するための資金は7%?
不動産投資を始めるのに必要なお金は、
購入不動産の価格の7%ほどといわれています。
例えば、1億円の一棟マンションを、融資を受けて購入する場合は、
1億円×7%=700万円となります。
この金額が、投資を始めるために必要なお金です。
では、不動産投資をはじめるためには、物件の7%分の自己資金を絶対に用意しないといけないのでしょうか?
答えはノーです。
融資を受けて投資を始める場合、融資にも3種類あり、その融資の方法によって必要な自己資金の金額も変わってきます。
銀行の融資の種類は3つ
銀行の融資には、
①オーバーローン・・・不動産価格+諸費用の全てを融資により用意する方法。自己資金がほとんど必要ない。
②フルローン・・・不動産価格を融資で用意し、諸費用は自己資金から支払う方法です。銀行で融資を受ける場合は、借りる人の職業や貯預金により変わり、融資を受ける銀行によってもその基準は違います。
③物件価格の一部を融資・・・購入にかかる必要資金の不足分を自己資金で用意する必要がある
この3つの種類からわかるように、オーバーローンで融資を受けると、自己資金は必要なく、初期費用をほぼ0円で不動産投資を始めることが出来ます。
しかし、融資を受けるときの審査は厳しくなります。そこで重要なのが、融資を受けようとする人の『属性』です。
属性とは、その人の
- 職業
- 家族構成
- 年収
- 勤続年数
- 金融資産
- 他に融資を受けていないか。
など様々な視点から審査され決められるものです。
また、不動産投資に対する考え方や返済計画なども審査されています。
一般的に不動産投資をする場合は、オーバーローンよりも、『フルローン』の融資を受けて始めることがほとんどです。
会社員や公務員の初めての不動産投資では、3000万円~5000万円ほどの物件を購入するのが現実的であり、その諸費用が7%ほどなので、
210万円~350万円
この金額を自己資金として準備しておくことが不動産投資の第一歩となります。
では、7%の初期費用にはなにがあるのでしょうか?
購入時にかかる費用とは?
一般的に、不動産を取得するときには、
仲介手数料、登記費用、火災保険料、不動産取得税などがあります。
仲介手数料とは?
不動産を購入する場合、仲介業者が取引に関与することになります。
このように、土地や建物などの不動産の取引をするときには、不動産業者などの『仲介業者』が介入することになります。
仲介業者を利用することで、不動産を購入する物件を探すときに利用したり、取引をスムーズで安全に進めることもできます。
この費用が仲介手数料と呼ばれるもので、物件の売買価格によって、仲介手数料も変わってきます。
物件の売買価格 | 手数料の上限 |
200万円以下 | 5% |
200万円超400万円以下 | 4%+2万円 |
400万円超 | 3%+6万円 |
このように、報酬額は、宅地宅建取引業法で上限が定められています。
不動産の取得にかかる費用
不動産取得税と呼ばれるのがこの部分ですね。
不動産を取得するときには、『印紙税』と『登録免許税』があります。
印紙税は、契約書に張り付ける収入印紙の代金のことです。
不動産投資を始めるときには、
- 不動産の売買に関する契約書
- 銀行等との融資に関する契約書
この2つの契約書があり、それぞれ収入印紙の金額が違います。
契約書の記載金額 | 売買契約書の税額 | 金銭消費貸借契約書の税額 |
500万円超1000万円以下 | 5000円 | 1万円 |
1000万円超5000万円以下 | 1万円 | 2万円 |
5000万円超1億円以下 | 3万円 | 6万円 |
1億円超5億円以下 | 6万円 | 10万円 |
実際には、500万円以下の部分にも収入印紙税が発生しますし、5億円超の場合ももちろん発生しますが、サラリーマンや公務員等の人が投資する、現実的な価格帯しか表記していません。
気になる方は『国税庁』のホームページで調べてみて下さいね。
登録免許税は、登記をするために必要になる税金のことです。
所有権移転登記や、抵当権設定登記などですね。
項目 | 税額 |
登録免許税(土地) | 固定資産評価額×1.5% |
登録免許税(建物) | 固定資産評価額×2% |
登録免許税(抵当権設定) | 借入金×0.4% |
登記をすることにより、第三者に権利を主張することができるようになります。また、抵当権は担保と考えるとスムーズに理解できるかと思います。
通常、銀行などの融資をしてくれる金融機関が抵当権を『不動産』に設定することになります。
これは、『もし、ローンの支払いが滞ったら、不動産を没収しますよ』というものです。
ちなみに、固定資産評価額とは、土地や建物の公的な価格のことで3年毎に見直しが行われます。
一般の売買価格の約70%ほどに設定されているので、思ったよりも安いと感じるかと思います。
固定資産評価額は、
- 固定資産税
- 都市計画税
- 不動産取得税
- 登録免許税
これらを算出するときに使われるものにもなります。
火災保険や地震保険料もかかる
火災保険や地震保険は、万が一に備える保険ですね。
もしも、購入した物件が地震で崩れ落ちてしまったら、多額のローンだけが残りかなりヤバい状況になってしまいます。
不動産投資におけるローンの支払いは、家賃収入から捻出するのが通常だからですね。
火災保険や地震保険は一括と、分割で支払うことができます。が、一括で支払ったほうが断然、保険料が安くなります。
ということで、不動産取得時の保険料も必要な諸費用になります。
取得時だけじゃない?ずっと続く費用って?
ここまでの説明が、不動産を購入するときに発生する諸費用についてです。
不動産の価格の他にもいろいろな諸費用があるんだなぁと思った人もいるのではないでしょうか?
たしかに不動産を購入するときには、いろいろな費用がかかりますが、実は物件を所有してからも多くの費用があるんです。
固定資産税と都市計画税
固定資産税は、1月1日時点で土地や建物などの固定資産を所有している人に対して課せられる税金で、固定資産評価額をもとに算出されます。
標準税率は1.4%です。
例えば、固定資産評価額が3000万円の土地を所有している場合、
3000万円×1.4%=42万円
年額42万円の固定資産税が発生することになり、4回に分けて支払うことができます。
そして、固定資産税で重要なのが、『課税標準の特例』とよばれるものです。
この制度は、住宅用の土地は固定資産税を安くしますよ。というものです。
住宅用と聞くと、マイホームを想像するかもしれませんが、投資用のアパートやマンションももちろん『住宅用』として特例を受けることができます。
住宅用地の面積 | 減税額 |
用地の200㎡以下の部分 | 固定資産評価額×1/6 |
用地の200㎡以上の部分 | 固定資産評価額×1/3 |
200㎡以下の部分ということなので、300㎡の住宅用地の場合は、
200㎡は1/6、100㎡は1/3で、固定資産評価額が減額され、固定資産税が安くなります。
また、区分マンションを購入するときには、新築住宅に対する特例を受けることができます。
床面積50㎡以上280㎡以下の新築住宅は居住部分120㎡までの部分の固定資産税が半分になります。
マイホームを購入する人にも、けっこう重要な情報ですね!
都市計画税は、1月1日時点で土地や建物を『市街化区域』に所有している人に対して課せられる税金です。
市街化区域とは文字通り、市街化を進めている地域のことですね。反対に、市街化を抑制している地域のことを『市街化調整区域 』と言いますね。
都市計画税は、固定資産評価額×0.3%を上限に市町村が条例によって定めています。
地域によって税率が変わりそうですが、固定資産税は、市町村の貴重な税収です。ほとんどの地域で格差はないと言えますね。
管理委託費用
不動産の管理を委託すると発生する費用ですね。
家賃の回収や、入居者の募集、トラブルへの対応を行ってくれるため、間違いなく利用することになります。
そもそも、自分で家賃回収やら募集やらトラブルへの対応をすると大変ですし、不労所得ではなくなってしまいます。
実際の手数料は5%~10%ほどになっているので、比較サイト等で調べてみましょう。
マンションはさらに費用がかさむ!
マイホームの検討をしたことがある人ならわかると思いますが、マンションには
管理費と修繕積立金というものがあります。
管理費は、マンションの管理組合に支払うお金で、修繕積立金は今後予想される大規模な修繕のために積み立てていくお金になります。
この2つを合わせると家賃の1~2割ほどにもなります。
不動産投資では、この管理費と修繕積立金を考慮していなかったため投資が失敗!なんてことも少なからずあるので忘れないように注意しましょう。
まとめ
不労所得や、毎月の給料に+数万円を!
不動産投資には夢がたくさんありますね。
しかし、不動産投資はローリスクと言われていても、投資金額が高額のため気軽に始めることはできませんよね。
この、『高額な不動産価格』に目がいってしまい、見落とされがちなのが『初期費用』です。
費用は、不動産価格の数%ほどなので、軽く考えられてしまいますが、不動産投資を成功させるカギは諸費用をしっかりと考慮してキャッシュフローを組み立てているかどうかです!
絶対に失敗したくないですし、失敗できない不動産投資だからこそ、初期費用などの細かなお金にまで気を回して、しっかりと計算していきましょう!