20歳になると、会社員、フリーランス、学生、フリーター、無職などなど。
どんな職業の人でも国民年金の保険料を納付することになります。
年金と聞くと、いろいろな疑問があると思います。例えば、
- 年金は支払わずに、貯金したほうがお得?
- 老後にもらうのが年金?
- 手続きとか、支払い方法は?
- 学生で収入がないのに支払わないといけないの?
たくさん疑問があると思いますが、安心してください。
このような年金に対する疑問は、20歳のあなただけではなく、大人の先輩でもよく知らない人が多いんです。
ということで、この記事で『年金』についてマスターし、リテラシーの高い大人になりましょう!
20歳になるあなたへ!年金の支払い方法と手続きを確認しよう!
いつから支払う?20歳からです!
日本の公的年金制度は、『国民年金』と『厚生年金』の2本立てになっています。
国民年金は、日本に住所がある20歳以上から60歳未満の全ての人が加入することになる制度です。
【注意】厚生年金は20歳からじゃない!
一方の厚生年金は70歳未満の適用事業所に雇用される人が対象となります。
適用事業所とは、
- 週の労働時間が20時間以上
- 雇用期間が1年以上見込まれる
- 賃金の月額が8.8万円以上
- 学生でない
- 常時501人以上の企業(特定適用事業所)に勤めている
上記にあてはまれば、中卒で働いていたとしても、厚生年金に加入することになります。
実際に私も中学を卒業してから進学せずに働いていましたがしっかりと厚生年金を支払っていました!
覚え方は、
厚生年金は働いていたら払うもの。
国民年金は、20歳以上の人が加入するものと覚えておくといいですね。
20歳になったらどんな手続きが必要?
では、20歳になったらどのような手続きをすればいいのでしょうか?
国民年金被保険者関係届書の提出
20歳になる誕生月の前月から当月の上旬までに、日本年金機構から、『国民年金被保険者関係届出書』が送られてくるので必要事項を記入して提出することになります。
記載事項は、住所、指名、生年月日、電話番号、マイナンバーなどです。ちなみにマイナンバーがわからない場合は記入しなくても大丈夫です。
記入事項でわかりにくいのは、
20歳になり、新たに国民年金の資格を取得することになるので、『1』に〇をつけます。理由は学生の場合は、『0.20歳到達(学生)』、働いている場合は、『2.20歳到達』に〇をつけます。
記入が終わったら、市役所か年金事務所に提出します。
注意したいのが、誕生日の前日から数えて14日以内に提出しなければならないので、『国民年金被保険者関係届出書』が届いたらできるだけ早く記入し、提出できるようにしましょう。
年金手帳が届く
年金手帳は、これから厚生年金に加入するときや、将来年金を受け取るときに必要になり、一生使うことになる大切なものです。
もしも紛失したり、汚れたり破けたりした場合は、申請をして再交付してもらうことも可能です。
再交付に必要なのは、マイナンバー又は、年金手帳に記載されている基礎年金番号が必用です。また、届け出先も、自分の職業などによって若干ちがうので、市役所や年金事務所に問い合わせて確認する必要もあります。
支払い方法は?
次は、年金保険料を支払うための国民年金保険料納付書が送付されています。
コンビニや口座振替、クレジットカードでも支払うことができるので、自分にあった方法で納付することができます。
クレジットカードで支払うとポイントもつくので、お得に保険料を支払うこともできますね。
以上が、20歳になったときの手続きの要領です。
国民年金は、支払った月数が多い程、将来もらえる年金額も多くなるため、手続きを忘れて年金額が少なくならないように注意しましょう。
国民年金の『お金』の疑問
いくら支払うの?
国民年金保険料は、毎月支払うことになります。
保険料は、その年度によって若干変動していて、例えば平成30年度は、月16340円です。
年間で19万6080円が保険料として納付しなければなりません。
いくらもらえるの?
では、高齢者になったときにいくらくらいもらえるのでしょうか?
国民年金の計算方法は、
77万9300円×加入期間(月数)(保険料納付期間)/480
で計算します。この金額も年度によって変わり、上記は平成30年度の場合の計算方法です。
480は、20歳から60歳までの40年間、計480か月を表しています。
つまり、20歳から毎月きちんと保険料を納付していれば、年間で77万9300円を受け取れます。
20歳のときに手続きを忘れていて、そのままだと、その分もらえる年金額も少なくなってしまいますね。
大学生で支払うのが難しい
学生の場合、毎月1万6340円を支払うのは難しいこともあると思います。
そんなときは、『学生納付特例制度』という制度を活用しましょう。
学生で、所得が少ない場合は申請することができますし、ほとんどの学生が申請することができます。
市役所や、年金事務所で手続きができるほか、学校で申請することもできるので、自分の学校を一度確認してみるといいでしょう。
学生納付特例制度を使うと、10年間の支払い猶予期間が与えられます。この10年の間に保険料を追納することで、将来うけとる年金額も減らされることがなくなるので、卒業して働き始めたら納付することをオススメします。
働いているけど、経済的に支払いが難しい
20歳になり、就職して働いているとしても給料が低く、経済的に保険料を支払うのが難しいこともあると思います。
学生の場合は、『学生納付特例制度』がりましたが、働いていたら、『保険料免除・納付猶予制度』を利用することができます。
保険料免除は、収入が低い場合や、失業した場合に利用することができ、状況に応じて
- 全額
- 4分の3
- 半額
- 4分の1
この4種類の方法で、保険料を減額することができます。
保険料免除を利用した場合は、将来受け取れる年金額が少なくなってしまいますが、免除された期間の年金額の2分の1の金額はもらえます。
国民年金の半分は国が負担しているからですね。
例えば、20歳から60歳まで、すべての期間で、保険料の全額免除が認められれば、77万9300の半額の38万9700円を受け取れることになります。
一回も支払わずに将来、年金をもらえるということになります。
しかし、保険料免除の申請をしなかった場合は、将来もらえる年金もなくなるので、経済的に支払いが難しい場合は忘れずに申請をしましょう。
働いてないけど支払うの?
無職でも支払う義務がありますし、可能な限り支払うことをオススメします。
ただし、無職で保険料を支払うのはムリな話ですよね。
ですので、前述したように『免除』の申請をしましょう!
保険料を安くする支払い方法
国民年金保険料の支払い方法には、納付書によるものやクレジットカード、口座振替がありますが、口座振替で一カ月早く保険料を納付すると年間で600円安くすることができます。
これは、現金で一カ月早く支払っても割引はされないので注意が必要です。
クレジットカード払いの場合は、割引などの特典はありませんが、カードにポイントが付くので、どちらがお得なのかは契約しているクレジットカードと比較して計算してみましょう。
しかし、上記の方法では保険料が安くなると言っても、その効果は小さいですね。
そこで、お金に余裕があるなら『まとめ払い』という方法をオススメします。
6カ月前納 | 1年前納 | 2年前納 | |
---|---|---|---|
支払い金額
(割引額) |
96,930円 (1,110円) |
191,970円 (4,110円) |
377,350円 (15,650円) |
まとめ払いの方法は、口座振替、現金、クレジットカードがあり、上記は口座振替を行った場合の支払い金額とカッコ内は割引される金額を表しています。
2年分を支払うと、約38万円と高額ですが、1万5000円も通常よりも安くすることができます。
6ヶ月前納 | 1年前納 | 2年前納 | |
---|---|---|---|
支払い金額
(割引額) |
97,240円 (800円) |
192,600円 (3,480円) |
378,580円 (14,420円) |
上記は、現金またはクレジットカードで『まとめ払い』した場合の表になります。
口座振替よりもお得感は小さくなりますが、それでも1万4000円も割引されますし、クレジットカードで支払うと38万円分のポイントもつくことになります。
まとめ払いする余裕があれば、クレジットカード払いがオススメですね。
年金はいつからもらえるの?
20歳から保険料を支払う国民年金ですが、その受取は65歳からが基本になっています。
しかし、申請をすれば60歳から受給することもできますし、70歳から受給することもできます。
60歳から受給すると?
60歳から64歳までの間で、自由に受け取り時期を設定することができます。
その場合は、年金額が1月早めるごとに、0.5%が減額されることになります。
60歳から受給を開始した場合は、
12か月×5年間=60か月
60か月×0.5%=30%
年金額が最大で30%も減額されることになります。
70歳から受給すると?
反対に、70歳から受給すると、1月ごとに0.7が増額されることになります。
70歳からの受給にすると年金額が43%も増額されることになります。
これはかなり『お得』と考えることができますね。
年金が何歳からもらうのがベスト?
年金は、『終身保険』です。
つまり、受給を開始してから死ぬまで年金をもらえるんです。
単純に70歳から受け取ると42%も増額されますが、その分、年金を受給する期間は短くなりますね。
また、年金にも『税金』がかかり、所得税を支払わなければなりません。
年金額が多ければ多い程、支払う税金も多くなります。
年金はいつからもらうのがベスト?
という質問の答えは、その人がもらう年金額やその他の収入、健康状態などを考慮しなければベストの答えを出すことはできません。
もらえる年金を増やす方法はあるの?
国民年金の受給額は、最大でも約78万円で、決して多いとは言えません。
老後の生活費を考えると、国民年金だけでは絶対に足りないです。
そこで、将来もらえる年金額を増やす方法を紹介します。
付加年金を使う。
付加年金は、毎月の保険料にプラス400円を追加して支払う保険料のことで、将来の年金額を増やす方法として手軽なものですね。
受給するときは、
200円×支払った月数の金額を受給することができます。
ただし、付加年金に加入できるのは、自営業や農家、フリーランスなどの第1号被保険者の人のみになります。
国民年金基金
こちらの制度も、第1号被保険者しか利用することができませんが、将来もらえる年金の上乗せができる制度です。
イデコと比較されることが多いですが、国民年金基金の1番の魅力は『終身保険』という点です。
確定拠出年金
イデコ(iDeCo)は個人型確定拠出年金のことで、将来の年金の上乗せができるものですね。
節税効果が非常に高く(国民年金基金と同じ)、第1号被保険者だけでなく、ほぼ全ての人が加入できる制度です。
国民年金基金は『終身保険』ですが、イデコは積み立てたお金と、そのお金を投資などで運用した収益を60歳から切り崩しながら年金でもらう、または一括でもらうものになります。
イデコについては、当ブログで紹介している記事が多数あるので参考にしてみて下さい。
オススメの記事は、
また、イデコは個人型の確定拠出年金ですが、企業型確定拠出年金というものもあります。
こちらは、働いている会社等で用意されているものなので、会社の規定に従って加入したり、イデコと併用したりすることになります。
まとめ
20歳になると、たとえ学生や無職でも国民年金の保険料を支払うことになります。
日本年金機構からの郵便物で手続きを進めていくことになりますが、書類を提出し忘れたり、手違いで申請書類が届かなかった場合は、将来もらえる年金額に影響が出るので注意しておきましょう。
また、学生で支払うことが困難な場合や、失業などの理由により保険料を納付することが困難な場合も申請をすれば免除されたり猶予期間が認められるので、この点も忘れずにきちんと申請しましょう。
年金の制度については、学校でも特に教えてもらえないですし、周りの大人もきちんと理解している人も少ないため疑問が多いでしょうが、『自分の将来』のためにもしっかりと手続きをしておきましょう。