年金定期便は毎年、誕生月に送られてくるものですね。
何気なく目を通して、そのままゴミ箱に・・・なんて人もいるみたいですが、老後にもらえる年金額も記載されていますし、今までにどれくらいの期間、どれくらいの金額を支払ってきたのかもわかります。
これからのライフプランを考えるためにも重要なものですので、大切に保管して『ねんきん定期便の見方』もしっかりと理解しておきましょう!
年金定期便の見方はこれでバッチリ!
年金定期便でわかることって何?(50歳未満.Ver)
年金定期便は年齢によって記載されている内容が違いますし、35歳、45歳、59歳の人はハガキではなく封書で送られてきます。
まずは、50歳未満で35歳と45歳に該当しない人の『ねんきん定期便』の見方から解説していきますね。
年金定期便を見るときに特に重要になってくるのが、
- 現時点での年金受給額
- これまでの支払い期間
- アクセスキー
この3つをポイントに見ていけばバッチリですね!
年金受給額がわかる!?
年金定期便には、現時点での年金受給額が記載されています。
赤で囲った部分が受給額です。
ただし、現時点での支払い額に応じた受給額になっているので、30歳の人と40歳の人とでは、年金支払い額が大きく違うので、年金受給額も違ってきます。
あくまでも、『これまでに支払った保険料』に応じた金額が記載されていることに注意しておきましょう。
また、年金定期便のウラに小さく
この「ねんきん定期便」は下記の時点で作成しております。
平成○年○月までの年金加入記録を表示しています。
このように書かれています。
誕生月に送られてくる年金定期便ですが、実は誕生月の『2か月前』に作成されています。
ですので、支払い年金額に若干のズレがあるんです。といっても2か月分は誤差の範囲ですので、そこまで細かく気にする必要はありません。
*ただし、保険料支払い期間(120か月)がギリギリの人は要チェックです!
どれくらい支払ったかわかる!?
今までに支払った金額と期間がわかるのも年金定期便の良さですね。
特に、支払い期間はかなり重要です。
そもそも年金は1回でも支払えば受給できるものではなく、ある一定の期間を支払わないと年金受給資格が発生しないんです。
小さく記載されていますが、
老齢年金の受け取りには、原則として120月以上の受給資格期間が必用です。
つまり、トータルで120回の保険料の支払いをしていないと年金受給資格がもらえません。
ちなみに平成29年8月1日から、120月に変更になりましたが、それまでは300月(25年間)の支払い期間がないと受給資格がもらえませんでした。
前述しましたが、年金定期便では『今までの支払い期間』を確認できるので、自分があとどれくらい支払えば受給資格が発生するのかを確認することができます。
実は、アクセスキーが1番重要!
ハガキのウラ面に『お客様のアクセスキー』という記載があります。
実は、コレがかなり重要なんです。
このアクセスキーは『ねんきんネット』という日本年金機構のホームページで使うキーになっています。
ねんきんネットでは、将来の年金受給額の見込みを調べることができるんです!
ねんきん定期便では、現時点での支払い額に応じた受給額しかわからないので、将来のライフプランの参考にはあまりなりませんでしたが、将来の見込み額がわかる『ねんきんネット』はかなり重要です!
年金定期便でわかることって何?(50歳以上.Ver)
では、50歳以上の人に送られてくる年金定期便の見方について解説していきます。
といっても、50歳未満.Verと違う点で重要な箇所は2つだけです。
将来の見込み額が記載されてくる
50歳未満の年金定期便は『現時点での支払い額に応じた受給額』が記載されていましたが、50歳以上の人に届く定期便には『このまま60歳まで支払い続けた場合の見込み額』が記載されています。
『ねんきんネット』で調べないとわからなかった受給額が定期便でわかり親切な内容に変わってますね。
赤で囲った部分が65歳から受け取れる年金額が記載されている部分になります。
この部分に記載されている金額は、あくまでも見込み額とされていますが、実際に受け取る受給額にかなり近い金額になっているので、老後のライフプランやこれからの老後の資金準備の役に立ちますね。
ここで、気になるのが『特別支給の~』という左側にある記載内容です。
特別支給とは、
昭和60年の法律改正により、厚生年金保険の支給開始年齢が60才から65才に引き上げられました。支給開始年齢を段階的に、スムーズに引き上げるために設けられたのが「特別支給の老齢厚生年金」の制度です。
この特別支給の年金を受け取る人は、
- 男性の場合、昭和36年4月1日以前に生まれた人
- 女性の場合、昭和41年4月1日以前に生まれた人
上記の条件のほかに60歳以上、10年間の支払い期間などの通常の年金受給要件と同じ条件があります。
昭和36年生まれの人は2018年で57歳で、昭和41年生まれの人は2018年で52歳となっています。
上記の条件に該当する人たちがこれから60歳を迎えると、『特別支給の~年金』の対象者となり65歳以前から年金を受給できるようになります。
逆に言うと、上記の年度よりあとに生まれた人には関係のない記載内容となりますね。
50歳以上の人に送られてくる年金定期便は、上記の項目以外は、50歳未満の人に送られてくる定期便の内容と同じになっているんですね。
35歳、45歳、59歳に送られてくる年金定期便
年金定期便は、ハガキで送られてきますが、節目となる年齢になると封書で送られてきます。
これまでの支払った保険料や、受給の見込み額など、通常の年金定期便に記載されている内容に加え、
- 年金加入記録の確認方法のパンフレット
- 年金加入記録回答票
上記2点も同封されてきます。
ここで、重要なのが、『年金加入記録回答票』です。
自分の年金記録に「もれ」や「誤り」があった場合に提出するものです。
2007年に『消えた年金記録問題』という大きな出来事があったのを覚えているでしょうか?
5,095万件の誰のものかわからない年金記録が発覚した問題ですね。
今の年金制度では、このような問題は起こらないと思いますが、万が一、自分の年金記録に間違いがあったら将来受け取る年金にも大きな影響が出てしまいます。
面倒臭がらずに、しっかりと確認しておきましょう。
節目年齢の時の流れは、
- 年金定期便を確認する
- 間違いがあれば、年金加入記録回答票に記入する
- 回答票を返送する
- 日本年金機構が確認する
- 年金加入記録の修正
このような流れになっています。
脱サラして、第1号被保険者になった人や、その反対の人。結婚を機に退職して第3号被保険者になった人など、保険が変わったりした人は要チェックです。
また、猶予や免除等を活用した人も要チェックですね。
年金制度は、専門用語がバンバン出てきますし、わかりにくいこともあるので、確認するのも大変ですが、自分の『老後』を考え頑張って確認しましょう。
年金記録を確認しても、とくに問題がなければ回答票を返送する必要もありません。(返送しない=問題ないと確認した。というように日本年金機構に認識されます。)
年金定期便には記載されない年金とは?
一般的に『年金』と呼ばれているものは、老齢基礎年金と老齢厚生年金です。
前者は、国民年金から。後者は厚生年金から受給できるものです。
このほかにも、国民年金基金、確定拠出年金、個人年金など『年金』と名の付くものは沢山ありますね。
これらは、年金定期便には記載されていないので、自分でしっかりと把握しておかなければなりません。
年金は、老後の主な収入源となりますが、実際には年金だけで生活していくのは厳しいのが現状です。
国民年金と、厚生年金のほかにも、イデコやつみたてNISAを活用して『自分で年金を作る』ことが大切になってきます。
年金定期便や、ねんきんネットで将来の年金額を確認して、足りない部分を把握しておきましょう。
年金っていつまで払うの?
年金定期便の見方がわかったところで、『年金っていつまで支払うの?』という疑問が出てこなかったでしょうか?
年金定期便で確認できる『支払い期間』がありましたが、120月の支払いがないと年金を受給できないとありました。
仮に、現在53歳で、支払い期間が24月だった場合、残りの7年間を毎月支払ったとしても、合計で108月にしかなりません。
国民年金は60歳まで支払うものなので、
『このまま保険料を支払っても無駄じゃん!』となってしまいます。
でも、泣き寝入りすることはありません。
国民年金は65歳まで任意加入することができるんです。
120月に届かなかった人は、任意加入することで、条件をクリアできます!
また、国民年金は最大で480月(40年間)です。これは、20歳以上の人ならだれでも国民年金に加入することになっているからです。
60歳の時点で480月に満たない人は、任意加入して480月の満額を受給できるようにすることも可能です。
まとめ
毎年送られてくる年金定期便には、いろいろな情報が詰め込まれています。
特に、年金の受給額や支払い期間、アクセスコードは重要でこれからのライフプランを考えるために絶対に必要になるものです。
この記事を読んでいるあなたは、年金定期便が送られてきて、その見方を調べるために検索したんだと思います。
- 将来は年金がもらえなくなる。
- 支払った分を取り戻せない。
このようなことが言われていますが、年金制度はなくなることはあり得ませんし、支払った分以上の年金を受け取ることも可能です。
老後は不安がいっぱいですが、まずは自分の年金額から調べていきましょう!