国民年金基金の5つの疑問を解説!イデコや付加年金と同時にできる?

国民年金基金の5つの疑問を解説!イデコや付加年金と同時にできる?

国民年金基金は社会人なら聞いたことのある言葉だと思いますが、どういった制度なのかをしっかりと分かっている人は多くありません。

iDeCoも話題になっていて、昔よりもずいぶん身近な制度になってきたとはいえ、疑問はたくさんありますよね。

国民年金基金の5つの疑問!イデコや付加年金と同時にできる?

たとえば、

疑問 答え
国民年金基金とイデコ、付加年金は同時にできる? イデコとの併用は可能。付加年金は併用付加
国民年金基金とイデコの1番の違いは? 国民年金基金は終身、イデコは積立金の切り崩し
イデコと併用したときの上限は? 月額68,000円(年間816,000円)
イデコとどっちがオススメ? 私は断然、国民年金基金です!

他にも疑問があると思いますが、『大きな疑問』は上記内容ですね!

*上記疑問の詳しい内容はこれから解説していきます!

それでは、徹底的に国民年金基金を理解していきましょう!

国民年金基金とは?

国民年金基金は国の公的年金制度の1つで、老後の年金の上乗せのために作られた制度です。

日本人の平均寿命はどんどん長くなっていますし、老後の生活費もどんどん上昇しています。

総務省の統計局のデータによると、高齢者夫婦世帯の支出は27万円にもなります。

年金は65歳から受け取ることが基本となっており、65歳から平均寿命までの年数は約20年にもなります。

単純計算で、

27万円×20年間=5400万円

となります。

一方で国民年金は満額を受け取れたとしても夫婦で3000万円程度であり、差額の2400万円が足りない状況になってしまいます。

高齢者の貧困もたびたびニュースで取り上げられているように、老後資金の不足は深刻な問題になっています。

そこで、足りない2400万円を何とか補おうとする制度が『国民年金基金』になるんです。

加入条件は?

年金の不足部分を補う『国民年金基金』ですが、すべての人が加入できるわけではありません。

  1. 20歳以上60歳未満
  2. 日本に居住
  3. 国民年金の第1号被保険者

加入には上記の条件があります。

この条件は、国民年金の条件と同じとなっていて、国民年金をきちんと納めていないと国民年金基金に加入することはできません。

国民年金の条件と同じということなので、60歳~65歳の人でも任意加入している人なら加入することができます。

つまり、国民年金を支払っているうちは国民年金基金に加入することができます。

また、第1号被保険者であっても、一部免除や学生納付特例を受けている人は国民年金基金に加入することはできません。

第1号被保険者とは?

国民年金は第1号~第3号までに分類されていて、第1号被保険者はおもに自営業の人が対象になっています。

第2号や第3号被保険者は会社員や公務員、その人の配偶者が該当していて、この人たちは厚生年金という制度で年金の上乗せができます。

つまり、会社員や公務員は年金が多いのに、自営業の人は年金が少なくなってしまうのです。前述しましたが、この差を埋めるのが国民年金基金なんです。

地域型と職能型の2種類がある

国民年金基金には、地域型と職能型の2種類があります。

職能型は事業所が47都道府県に1つずつあつのに対し、職能型は25になっています。

この25箇所の事業所はそれぞれ業種毎に分かれていて、自分の職業に合う事業所しか利用することはできません。

事業内容や、掛金、年金額も同じで違いがわかりにくいのですが、

地域型は、引っ越しをした場合は加入資格を失うことになります。それまで支払った掛金は将来年金としてきちんと支払われるのでそこは安心して下さい。

一方の職能型は、引っ越し等をしても加入資格を失うことはないのですが、転職した場合は資格を失うことになります。それまで支払った掛金については地域型と同様に将来年金で支払われます。

ちなみに、職能型は『日本税理士国民年金基金』や『司法書士国民年金基金』などの社会的に地位の高い人向けの基金が多いため、ある種のステイタスになっているようにも思えます。

いずれにせよ、引っ越しや転職の可能性を考えて、どちらに加入するかを決めなければなりませんね。

給付はどのようにされるの?

国民年金基金の給付は老齢年金と遺族一時金の2パターンだけです。

老齢年金を一時金で受け取ることはできないんです。

また、国民年金は繰り上げ受給といって、本来65歳から受けとる年金を60歳から受け取れる制度があります。

この繰り上げをした場合でも、国民年金基金の年金は繰り上げられることはなく65歳からの給付になります。

ただし、付加年金に相当する部分については繰り上げて受給することが可能です。

国民年金基金の仕組みやデメリット

ここまで読んでいただけたら、国民年金基金がどのような制度なのかわかっていただけたと思います。

ここからは、実際に加入して掛金を支払うときにポイントになってくる部分について説明していきます。

国民年金基金は口数で掛金を支払う

国民年金基金には、

  1. 終身年金A型、B型
  2. 確定年金Ⅰ型~Ⅴ型

上記のように計7種類もあります。

1口目は終身年金A型かB型しか選べない

終身年金A型は保証期間つきの終身年金になっています。

65歳から給付を受けることになりますが、そこから80歳になるまでの15年間の間に加入者が死亡した場合は、一時金として残りの期間の年金額に相当する金額が支払われます。

例えば、70歳で死亡した場合は、保証期間までの残年数である10年間分の年金が一時金として支払われます。

また、保証期間が過ぎた80歳以降も生存している限り年金を受け取ることができます。

一方のB型はA型のような保証期間はなく、死亡した場合は、その時点で年金の支払いはストップし、一時金の支払いもないものになっています。

一般的にA型を選ぶ人が多いようですね。

選ぶときのポイントは、保証期間の有無と、掛金の金額です。

A型は保証期間もあり、仮に70歳で死んだとしても家族にお金を残すことができます。

しかし、掛金額はB型の方が安くなっています。

注意したいのが、国民年金基金の1口目は、あとから変更することができません。

自分のライフプランに合った方を選択しましょう。

2口目以降をどうするのか?

1口目は制限がありましたが、2口目以降は7種類の中から好きに選ぶことができます。

ということで、確定年金Ⅰ~Ⅴ型について説明していきます。

種類が多くて複雑かと感じてしまう人もいるでしょうか、実は単純なものになっています。

まず、確定年金とは、年金の受け取り期間が決まっている年金のことをいいます。

確定年金のⅠ型は15年確定年金になっていますが、15年間は年金の支払いが保障されていて、途中で死亡した場合も残りの期間に相当する年金額が一時金で支払われます。

実はⅠ型~Ⅴ型は全て上記のような仕組みになっていて、違うのは確定年数と年金の受け取り年齢です。

支給開始時期 年金支払い期間
確定年金Ⅰ型 65歳 15年
確定年金Ⅱ型 65歳 10年
確定年金Ⅲ型 60歳 15年
確定年金Ⅳ型 60歳 10年
確定年金Ⅴ型 60歳 5年

国民年金基金は種類が多いと思われがちですが、表にしてみると単純なものになっていることがわかります。

注意点として、確定年金の受取額は、終身年金の受取額より少なくしなといけないという点です。

1口目だけ終身年金A型に加入して、2口目以降は全て確定年金にしてしまうってやり方は不可能になります。

加入したらやめられないの?

国民年金基金の加入はそれぞれの任意によるもので強制力は一切ありません。しかし、1度加入すると脱退することはできないので、慎重に加入を検討する必要があります。

一時金ってどういうこと?

国民年金基金は、終身年金B型以外は全て、保証期間付になっているため、保証期間中に死亡した場合は一時金が遺族に支払われます。これを遺族一時金といいます。

例えばA型の場合、

30歳で国民年金基金に加入し、70歳で死亡してしまった場合の遺族一時金は223万円になります。

また遺族一時金は非課税になっています。

国民年金基金と付加年金は同時にできない?

国民年金基金と付加年金は同時に加入できません。

というのも、国民年金基金は『付加年金』が組み込まれているんです。それなのに、国民年金基金と付加年金の同時加入を許すと、付加年金の2重給付が発生してしまうため、そちらか一方の制度しか利用できないようになっているんです。

しかし、

イデコは付加年金に同時加入できます。

国民年金基金は第1号被保険者しか利用できませんが、イデコは2号被保険者や3号被保険者も利用できるからですね!

国民年金基金とイデコの違いは?

イデコは毎月、掛金を積立てていき、運用によって資産を増やしていく制度ですね。

運用で利益をあげることができれば、積み立てた金額よりも大きな資産を築くこともできます。

積み立てたお金は、60歳から受け取ることができ、受け取り方は

一括か年金での受け取りになります。

例えば1000万円を60歳までに積み立てることができれば、その1000万円を一括で受け取るか、毎月数万円ずつ『切り崩しながら』受け取ることになります。

この『切り崩し』がキーワードです。

積み立てた金額以上のお金はどうやっても得ることができません。

一方の国民年金基金もイデコと同じように、年金で受け取ることになります。

ただし、国民年金基金の場合は、年金を終身で受け取ることができます。

終身とは、『死ぬまで』ですね。

人生100年時代に備えるためには、生きている間ずっと続く『終身年金』こそ老後の最大の武器となります。

上限金額に違いはない

国民年金基金に加入できるのは第1号被保険者の人だけでしたね!

その第1号被保険者の人がイデコを始める場合の上限額は68,000円です。

一方の国民年金基金も68000円が上限金額になっています。

2つの制度の上限額に違いはないんです!

また、この2つの制度は同時に加入することができて、この場合の上限金額は、合算して68,000円になります。

上手な加入方法はあるの?

国民年金基金とイデコの『いいとこどり』をするような掛け金がオススメです。

たとえば、終身タイプの国民年金基金を40,000円

切り崩しタイプのイデコを28,000円にする

といった方法です。

分散投資と同じ考え方で、

国民年金基金で年金額を確保しつつ、イデコで資産運用をして増やす

といったやり方もできますね!

まとめ

これからの時代は『人生100年時代』と呼ばれる、今まで誰も経験したことのない時代になっていきます。

今までと同じ感覚や考えで老後に備えていると『老後貧困』に陥ってしまう可能性もあります。

また、働き方改革により、これからフリーランスの人も増えていくことが予想されますし、実際にこの記事を読んでいるあなたもフリーランスを考えているのではないでしょうか?

第1号被保険者の人の年金は、会社員や公務員に比べると少なく、国民年金だけで生活していくのはかなり厳しいと言えます。

イデコばかりが注目を集めていて、国民年金基金よりもイデコの方が優れていると言われることもありますが、2つの制度は『受け取り方』が明確に違っています。

特に、これから長生きの時代になっていくことを考えると、むしろ国民年金基金のほうが優れていると考えることもできます。

どちらの制度も『老後資金』の準備に優れた制度です。

平均寿命もそうですが、自分の健康状態とも相談してどちらが最終的に『自分に合っているか』を判断するようにしましょう。

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