運用額が世界最大の『機関投資家』GPIFとは一体何者なのか解説!!

運用額が世界最大の『機関投資家』GPIFとは一体何者なのか解説!!

ビジネス誌や投資に関する書籍を読んでいると必ず出てくるGPIFをご存じでしょうか?

投資に興味がある人なら知っていて当たり前ですが、GPIFと私たちが毎月納めている公的年金は、密接なつながりがあるので、社会人なら教養として知っておきたい知識ですね。

多くのメディアで、『知っている前提』で話しが進められていて、『今さら聞けない…。』状況なので、この記事をキッカケに1から学んでいきましょう!

運用額が世界最大の『機関投資家』GPIFとは一体何者なのか解説!!

私たちの年金を運用している

GPIFは世界最大の『機関投資家』と呼ばれ、私たちの年金を運用して、年金制度の安定を目的としています。

まずは年金制度をおさらい

年金制度は、現役世代が保険料を納付して、高齢者が年金を受給する仕組みになっています。

よく勘違いしている人がいますが将来、自分が受け取る年金を積み立てているわけではないです。あくまでも相互扶助の仕組みになっています。

年金に関しては、ネガティブなニュースが多いのは肌で感じていることだと思いますが、これから公的年金制度の運営はどんどん苦しくなっていくことが予想されます。

少子高齢化が進むと、相互扶助の仕組みである年金制度を維持していくことが難しくなってきて、年金を減額して制度を維持していく等の対策もありますが、生活できないレベルまで下げることはできません。

実際、今現在の年金額でも老後の生活は厳しいものがあるほどです。

しかし、年金額を維持、または増額しようとすると、現役世代の負担が大きくなっていまいます。

そこで、年金を運用して、将来の年金の原資にしようというのがGPIFです。

GPIFとは何者?

GPIFの正式名称は、『年金積立金管理運用独立行政法人』という、いかにもお役人が考えた漢字だらけの名前です。

まず、年金制度の保険者は厚生労働大臣で、被保険者は私たちですね。

私たちが支払った年金保険料は、厚生労働大臣に納められ、厚生労働大臣はGPIFに運用を預託しています。

GPIFは預託された資金をもとに運用を行い、運用によって得た利益を国庫に納付して年金制度の安定化に寄与しています。

GPIFの運用資金

私たちは毎月、年金保険料を納めていいますが、その全ての保険料を年金の給付に使っているわけではありません。

一部は、将来の給付のために積み立てられているんです。その積み立てられたお金の一部を『運用資金』としています。

さて、日本の公的年金には、『国民年金』と『厚生年金』がありますね。

GPIFの運用資産額は158兆5800億と果てしない金額で、そのほとんどが厚生年金が原資となっています。

GPIFの運用スタイル

平成13年度から運用を始めて、GPIFは66兆円も収益をあげています。158兆5800億円のうち66兆円が投資によって得られたもので、非常に優れた運用結果だと言えます。

そんなGPIFの投資スタイルは徹底した長期投資です。

年金制度が、長期にわたり給付を続けるものなので、その資金を運用しているGPIFも長期で安定した資産運用が求められています。

被保険者のための投資

GPIFの運用資金は、保険料を払っている被保険者のお金です。

そのため、被保険者の利益を第一に考え、長期的に安定した運用が求められます。

GPIFが運用で大きな損失を出して、年金資金が減ってしまうと、その影響は大きく政権にまで影響を与えるほどです。

リスクを最低限に抑えつつも、年金の流動性を意識した資産運用がGPIFには求められます。

また、150兆円の運用資金は、世界最大です。

この資金が市場に与える影響も大きくなるので、個別の株式銘柄に投資するのではなく投資信託やETFに投資して、間接的に株式に投資をしています。

パッシブとアクティブ運用

リスクを最低限にするために、アクティブ運用は向いていないように思えますが、

パッシブ運用により、ベンチマーク収益率を維持しつつ、アクティブ運用でベンチマーク以上の収益を狙うことにもなります。

基本ポートフォリオ

GPIFは、

国内株式25%、国内債券35%、外国株式25%、外国債券15%

この4つの資産クラスを『基本ポートフォリオ』としています。

しかし、必ず上記の比率でポートフォリオを構成するわけではなく、プラスマイナス数%の乖離率が認められています。

具体的な数値でいうと、

平成30年度第1四半期のポートフォリオは、

国内株式25.55%、国内債券27.14%、外国株式25.32%、外国債券15.34%になっています。

国内債券だけが8%近くも基準値から少ない結果になっています。

国内債券は、日銀の金融緩和や海外金利の上昇の影響もあり、効率的な運用ができないとされ、意図的に構成割合が少なくなっています。

では、削られた8%は何に使われたのでしょう?

答えは、『現金』です。

株や債券だけでなく、現金に投資するなど柔軟な対応がGPIFの運用成績に繋がっていると考えられますね。

分散投資

長期にわたり安定した資産運用を達成するためには、『分散投資』は重要なものです。

わたしたち個人投資家でさえ、安定性を求め『分散投資』を意識していますね。

GPIFのこれからの資産運用は、158兆円という市場に与える影響力の大きさからなかなか公にはされませんが、29年度末の保有状況については閲覧することができます。

そのデータによると、29年度末における国内株式の保有銘柄は2000を超えています。

前述したようにGPIFは個別の銘柄に投資することはないので、2000銘柄というのは、ETFや投資信託を介した間接的な保有銘柄になります。

しかし、間接的とはいえ、国内株式だけで2000を超える銘柄を保有していることになるので、その分散投資の効果は非常に高いと言えます。

また、GPIFは国内株式だけではなく、海外株式や債券にも投資しているので、資産クラスで考えても分散投資を意識していると言えます。

ESGを意識した投資

ESGとは、環境・社会・ガバナンスの3つの頭文字の略で、日本では最近になってようやく注目されるようになりました。

ESG投資は、モルガンスタンレーなどを代表とする評価機関の『ESG評価』に基づく投資のことで、『AAA~CCC』で評価されていることが一般的です。

世界の投資額は9000兆円で、そのうち2500兆円はESG投資によるものです。世界では一般的なんですね。

ESGと長期投資は関係が深く、GPIFもこれからはESG投資の割合を増やしていくとしています。

オルタナティブ資産とは?

GPIFの運用資産の5%までをオルタナティブ資産の運用に使うことが認めれています。

5%というと大きな金額に思えませんが、GPIFの158兆円の運用資産を考えると、5%でも約8兆円にもなります。

この8兆円がオルタナティブ資産に投資されるということは、私たち個人投資家にも大きな影響にもなりますし、『参考』にすることもできます。

では、オルタナティブとは何でしょうか?

具体的には、農産物、鉱物、不動産、未公開株、先物などです。

特にREITがGPIFにも注目されていて、保有資産額も年々増えています。

GPIFの運用実績

2018年度の実績は、

収益率:+1.52%

収益額:+2兆3795億円

運用資産額:159兆2154億円

出典:GPIF

上記のように収益率としては、+1.52%で決して高い率とは言えませんが、収益額はとてつもない金額ですね。

さすが『世界最大の機関投資家』です!

運用資産額も過去最大の約160兆円にもなっています。

2001年から運用を開始したGPIFですが、累積収益額は+65兆8208億円で利回りは+3.03%になっています。

SNSを見ていると、『有識者?』と呼ばれる人が

年金を運用し、大失敗!だから私たちの年金はなくなった!

みたいなことを発信していますが、私は『???』となりますね。

過去の実績を見てわかる通り、しっかりと結果を残しているんです!

まとめ

GPIFは、投資をしている人、興味を持っている人にとっては『当たり前の知識』とされていますが、意外とGPIFをほとんど知らない人が多いんです。

投資などに興味を持っていない人や、投資を知らないと言われる人なら、まず間違いなくGPIFを知らないと言っていいくらいんです。

しかし、大人として、年金保険料を支払っている社会人としてGPIFの『キホン』くらいは知識として身につけておきたいですね!

年金カテゴリの最新記事