年金にも税金が発生する!?【繰上げ・繰り下げ】で迷ったときは計算してみよう!

年金にも税金が発生する!?【繰上げ・繰り下げ】で迷ったときは計算してみよう!

日本の公的年金は、国民年金と厚生年金を基本としていて、付加年金や確定拠出年金、国民年金基金が上乗せとしてあります。

老後に年金がどれくらいもらえるのか?

受給を繰り下げて受給額を上げたほうがいいのか?

などなど。年金に対する疑問は、どうしても『金額』に目がいきがちですね。

でも、年金にも税金が課せられることを見落としてはいけません。

所得税が累進課税(所得が多い人ほど税金が高い)になっているように、年金も、もらっている金額によって税金の金額は変わってきます。

年金額の増額ばかり考えるよりも、節税を考えて手元に残る年金を増やす方法もあるんです。

年金にも税金が発生する!?【繰上げ・繰り下げ】で迷ったときは計算してみよう!

公的年金は雑所得です

年金による所得は、雑所得という所得に区分されています。

*所得の種類は10種類もあり、ややこしい仕組みになっていますが、とりあえずここでは年金は雑所得と覚えておきましょう。

雑所得は本業以外から、複数年にわたってコツコツと受け取るお金というイメージを持っておけば大丈夫です。

雑所得も、『所得』ですから所得税を支払わなければなりません。

計算方法は、公的年金等とそれ以外で違っていて、

公的年金等=公的年金等の収入額ー公的年金等控除額

という計算式で求めることができます。

それ以外=収入金額ー必要経費

となっています。

さて、年金の計算式ですが、簡単にすると

税額=年金収入ー控除額

ですね。

ここで重要になってくるのが控除額です。

控除額と年齢の関係とは?

公的年金等控除額は、年金の収入額により違いますが、実は年齢によっても大きく変わってくるんです。

国税庁のホームページに表があり、

65歳未満と65歳以上で区分してあるんです。

公的年金の受給開始は、繰り下げや繰り上げをしなければ65歳からとなるので、『65歳以上の方』の表で計算することになります。

この表を使って、すぐにでも計算したい!と思うでしょうが、まずは自分の年金額を知らなければなりませんね。

自分の年金額の調べ方

日本年金機構のホームページでは、将来もらえる年金の見込み額を調べることができます。

必要なのは、自分の年金番号なんですが、これは年金手帳や、毎年、自分の誕生付きに送られてくる年金定期便に記載してあります。

年金番号がわからない等、諸事情によりすぐに調べることができない人もいるでしょうから、とりあえず平均額で考えていきましょう。

こちらの記事にあるように平均で約20万円ということがわかります。

単純計算で、

20万円×12か月=240万円となります。

これが65歳から受け取る年金の平均額になっています。

ただし、これは国民年金と厚生年金の合計額です。

第1号被保険者と呼ばれる、自営業の人は、確定拠出年金などを利用していないと、受け取れる年金は国民年金だけなので、年額で約66万円ほどです。

自分が加入している年金が何なのかわからない人は、まずはコチラの記事で年金の全体像を把握しておきましょう。

控除額を比較してみよう!

では、年金受給額の平均である240万円を例にして計算していきましょう。

年金額が240万円の場合の控除額は、

65歳未満は

収入金額×0.75-37万5千円です。

計算すると、

142万5千円が控除額となります。

一方の65歳以上の場合は、

120万円が控除額となります。

おや?240万円の場合だと65歳未満の方が有利ということになりましたね。

では、違うケースで考えていきましょう。

年金額が120万円の場合

65歳未満の場合は70万円が控除額となります。

一方の65歳以上では、120万円が控除額になっています。

つまり、実質的に収入がないものとして計算することができます。

受給額が240万円だと、公的年金等控除の恩恵はあまりありませんが、120万円の場合だと収入なしとして考えることができます。これは、大きなちがいです!

金額によって控除額の恩恵は違ってくるので、注意が必要ですね。

所得税の計算方法

所得税は、このように所得により税率や控除額が決まっています。

ここで、混乱する人が多いのですが、前述した『公的年金等』で計算して算出した金額は何だったの?さっきの計算は何を計算したの?という疑問ですね。

所得税は10種類あり、それぞれに総合課税と分離課税という方法によって所得税が加算されます。

公的年金等の雑所得は、総合課税される所得です。

給与所得や一時所得も総合課税となっていて、それぞれを個別に計算して、それぞれの所得額を算出し、それらの金額を合算して、税率を乗算して所得税額を決めます。

非常にめんどくさく、ややこしい所得税です。

ただし、多くの人は定年後の収入は年金のみです。仮に、年金以外に所得がある人は、自分でもわかっているはずなので、心当たりがない人は、深く考えなくても問題ないと思います。

では、年金額が240万円の場合の、実際の所得税の金額を計算してみましょう。

65歳以上の場合の控除額は、142万5千円でしたね。

240万ー142万5千円=97万5千円

97万5千円が年金所得として計算されていきます。

では、税率をかけて・・・の前に、控除は他にもあります。

  • 配偶者控除
  • 配偶者特別控除
  • 扶養控除
  • 障害者控除
  • 基礎控除

これだけ、控除できる項目があるんです。

この中で、誰でも受けられる控除が、『基礎控除38万円』です。

他にも配偶者の所得が一定以内であれば受けれられる『配偶者控除』や『配偶者特別控除』もあります。

これらの数々の控除をされたあとの所得金額に、税率をかけて『納める税金』が決まります。

受けられる控除が基礎控除だけだとして計算すると、

(97万5千円ー38万円)×5%=29750円

これが納める税金になります。

年金額により税金は大きく変わる

ここまで計算してきて、気づいた人は多いでしょうが、年金額によって税金は大きく変わるということと、国民年金と厚生年金受給者の多くの人は、節税の恩恵は少ないということです。

もう一度、この表を見てみると、公的年金等の収入額が770万円以上という項目があることに気付くと思います。

つまりそれだけの年金を受け取っている人が実際にいるということですね。

でも、65歳以上も65歳未満も、控除額に差はありません。

表からもわかる通り、差があるのは、収入額が410万円未満の人です。

計算時に注意すること

ここまでは240万円を基準に65歳以上、65歳未満の人を例に計算してきましたが、忘れてはいけないのが繰り下げ受給と繰り上げ受給による金額の増減です。

繰り上げした場合(60歳)の受給額は、30%カットの168万円になります。

逆に繰り下げした場合(70歳)の受給額は42%アップの340万円になります。

最近では、人生100年時代と言われていますね。

繰り下げと繰り上げ受給でこれだけの差が出ることをもう一度認識して受給タイミングを考えることが大切ですね。

どれくらいの人が65歳以外で受け取っているのか

繰り下げ受給と繰り上げ受給は多くの雑誌やサイトで紹介されていて、認知度も高くなっていますが、実際にこの制度を利用している人は、繰り上げ受給で1割程度、繰り下げ受給に関しては2%ほどの人しか利用していない実態があります。

また、今は65歳からの受給が基準となっていますが、ゆくゆくは70歳からの受給が基準になってきますし、金額も下がってきます。

まとめ

年金受給額の増減は重要なことで、悩みどころですが、最終的に決めるのは自分です。

若いうち(60歳)で早めに受け取って、元気なうちに人生を楽しむのも良い選択肢だと言えます。

平均寿命がどんどん高くなっていると言われていても、それは平均の話であって、全ての人が平均寿命通りになるわけではありません。

また、国民年金と厚生年金だけに頼って老後を考えるのではなく、確定拠出年金(iDeCo)や、つみたてNISAの活用など個人で老後資金を準備していくことが重要ですし、老後の選択肢を増やす方法になります。

もう一度、老後の資産設計を考え直し、豊かな老後を送れるように準備していきましょう!

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