確定拠出年金(iDeCo)は今では、ほぼ全ての人が加入できるようになり、各金融機関や証券会社も宣伝するようになってきましたね。
そのため、知名度も一気に上がりましたし、iDeCoを始めてみようと思っている人も多いのではないでしょうか?
そこで、考えるのが
『なにを基準に選べばいいのか?』
検索してみても、手数料で選べ!というような結果や内容がほとんどですよね?
でも、タイトルにあるように、iDeCoは手数料で選ぶのは間違っていると私は考えています。
もちろん、手数料は大きなアドバンテージになりますが、本当に大事なポイントは他にあります。
iDeCoの証券会社の選び方!イデコは3つのポイントを押さえて選ぼう!
iDeCoの手数料って?
まず、iDeCoの手数料には、
- 国民年金基金連合会
- 信託銀行
- 運営管理機関
この3つの機関に支払う手数料があります。
運営管理機関とは、iDeCoを利用して投資信託や株式、債券を運用する証券会社や金融機関ですね。
この中で、国民年金基金連合会と信託銀行に支払う手数料は、どの運営管理機関を選んでもかわりません。
言い方を変えれば、iDeCoの固定費みたいなものです。
手数料に差がつくのは。運営管理機関(金融機関や証券会社)に支払う手数料のみということになります。
で、この手数料は大手であればノーロードと言って無料のところがあります。
SBI証券や楽天証券、マネックス証券がそうですね。
iDeCo初心者の人が選ぶのは、やはり大手の知名度の高いところになると思うので、実質、手数料でiDeCoを選ぶのはナンセンスということになります。
運用商品の種類で選ぶ
iDeCoは、投資信託や債券、定期預金などの投資先を選び運用していく制度です。
iDeCoを始める運営管理機関を選んで終わりではなく、始まりになるわけですね。
ということで、投資信託や債券の知識は絶対に必要になります。
投資信託や債券に関する知識は上記の記事で確認して下さい。
iDeCoを利用して資産運用をすれば、資産が増えると思い込んでいる人もいますが、iDeCoも投資と同じです。
利益が出て資産が増えることもありますし、損をして資産を減らしてしまうこともあります。投資先の種類によってはリスクの幅にも差があり、自分の考えや運用方針に合った投資先を見つけることが重要です。
ということで、取扱い商品が多い運営管理機関を選んだり、自分が投資したいと思える商品を扱っている運営管理機関を選ぶのがポイントになります。
管理画面の使いやすさ
iDeCoの専用口座を開設すると、管理画面にログインできるようになります。
管理画面とは、積み立てた資産の管理や運用指示、投資している商品の状況などを確認する画面です。
iDeCoは60歳まで積み立てて、運用していくものです。
他の投資と違い非常に長い期間、お世話になるものです。また、60歳を過ぎてからは、給付が始まりますが、そのときにも管理画面を使うことになります。
一生、使っていくことになるので、使いやすさや利便性は大切なポイントになります。
また、iDeCoで運用する投資先は基本的には自分で選ぶことになります。投資先についていろいろと調べることも多くなりますね。
サポートや情報収集のしやすさ
iDeCoはネットだけでなく、銀行などに出向いてスタッフと対面式で取引をすることもできます。
対面式のメリットは、聞きたいことを自分が納得するまで教えてくれたり、オススメの商品を細かく説明してくれるなど、初心者には嬉しいところがメリットですね。
ネット証券など、ネットだけで完結する取引に比べると安心感やわかりやすさがありますね。
ただし、デメリットもあります。
対面式の場合、スタッフを拘束して説明をしてもらうので、ネット取引にはない人件費が発生します。
iDeCoの手数料は、重要なポイントで、安ければ安いほうがいいと思います。
実際、大手の運営管理機関は無料ですし。
それでも、聞きたいことを聞ける。情報を仕入れやすいというのは大きなメリットになります。
ネット証券でもサポートが充実していたり、有益な情報を提供してくれるところはあります。
ネットで検索すれば、『情報』はいくらでも出てきますが、証券会社が提供している情報は質が高いのが多いです。
証券会社も多数あり、どの会社も多くの契約を取るために提供する情報の質を上げています。
サポートも土日対応しているところもあり、会社員や公務員にとっては重要なポイントです。
iDeCoを選ぶ3つのポイント
ここまで紹介してきたように、iDeCoで運営管理機関を選ぶときに重要なのは、
- 商品数
- 管理画面
- サポート
この3つです。
手数料は、前述したように大手の運営管理機関を選べば、差がありません。
ネット証券を選ぶと、ほとんどの場合、大手の証券会社になりますし、その大手で手数料が変わらないのであれば、手数料で選ぶ理由はなくなります。
iDeCoの手数料で最も重要なのは・・・
iDeCoを始めるときに証券会社や金融機関の手数料は、前述したようにかわりませんし、大手を選べば差がないので重要ではありません。
しかし、iDeCoを実際に始めて投資信託で運用するときに発生する手数料はかなり重要です!
信託報酬と呼ばれる、投資信託に支払う費用があり、この費用は利益が出ていなくても発生するものです。
信託報酬が投資信託によって様々で、その投資信託の運用スタイルによっても大きく違ってくるものです。
iDeCoを始める場合、iDeCo自体にかかる手数料と、運用するときに支払う信託報酬を合わせて考え、積み立てる掛金の何パーセントになるのかを考える必要があります。
例えば、費用の合計が2%になる場合、投資先は、運用益2%以上にしなければ、資産は目減りしてしまいます。
iDeCoにも定期預金という投資先がありますが、金利は0.05%ほどと低いものです。
積立金額が低い場合、手数料の占める割合が高くなるので、定期預金では損をすることが十分に考えられます。
こんなことを言うと、
『iDeCoは掛金の全額を所得控除できるから、定期預金でも十分、利益がある』
というような意見が出てきます。
しかし、所得控除できても、それは将来への繰り延べと考えることもできます。
iDeCoは60歳から年金で受け取ったり、一時金として一括で受け取ることができますが、このときに所得税が発生してしまいます。
年金の場合は、雑所得として。
一時金の場合は、退職金としての所得税です。
詳しくはコチラの記事で紹介していますが、決して、所得税がタダになるということではありません。未来に支払うから、今をタダにしている仕組みになっているだけです。
iDeCoは運用益も非課税でお得と言われていますが、コチラも給付を受けるときに所得税としてキッチリ課税されます。
このように考えると、掛金の全額を控除できるという言葉につられてiDeCoを始める人や、定期預金で十分と思っている人は損することがあります。
記事タイトルにあるように、手数料でiDeCoを選ぶべきではありませんが、そもそも掛金が少なかったり、iDeCoの仕組みをきちんと理解して納得していない人は、iDeCo自体を選ぶべきではないと言えます。
まとめ
iDeCoは知名度や注目度も一気にあがり、これを機にiDeCoを始めてみようと考える人も多くなりました。
iDeCoについて、検索してみると、どうしても手数料のことがピックアップされてしまっています。確かに手数料は重要なポイントですが、紹介してきたように商品数や管理画面、サポート体制などが本当の意味で重要なポイントになってきます。
また、定期預金などの、リスクの少ない安全性の高い商品ばかりに投資していても、損をしてしまうこともあります。
iDeCoは良い制度でメリットもありますが、しっかりと理解してから始めないと損することもあります。
資産運用や老後資金の準備はiDeCoだけではありません。
iDeCoを始めようと考えている人も、まずは他の投資先について調べてみて検討するのが賢い資産運用と言えます。