FP(ファイナンシャル・プランナー)への相談で多いのが、土地の有効活用についてです。
土地を所有しているだけの状態だと固定資産税だけを支払うことになり、せっかくの資産も負債となってしまいます。
土地の有効活用として思いつくのが、マンション経営や駐車場としての活用ですね。
土地の活用方法は思っていいる以上にたくさんありますが、自分の要望や土地の特徴によって活用方法も変わってきます。
まずは、土地の活用方法を知り、どの方法が自分や土地に合っているかを検討してみましょう。
土地の有効活用は、大きく分けて6種類
前述してように、土地の有効活用として有名なのがマンション経営や駐車場としての活用です。
しかし、マンションを建てるにも莫大なお金が必要ですし、管理も大変そうですよね。
そこで大切になっていることが、自分の資金やライフスタイル、土地の特性に1番合う活用方法を探すことです。
これから活用方法を紹介していくので、自分と照らし合わせて読み進めていって下さい。
自己建設方式
この方法は、自分が所有している土地の上に、自分の資金でマンションやアパートを建設したり、駐車場として工事をすることです。
仲介業者などを利用しないので、自分がやりたいようにやることができ、大きな利益を得ることも可能な方法です。
しかし、建設費や工事費を全て負担することになるので大きなリスクを負うことになります。
また、手続きや管理なども自分ですることになるので、労力も大きくなってしまうデメリットもあります。
事業受託方式
デベロッパーと呼ばれる不動産開発者とパートナーになり土地活用を行う方式です。
デベロッパーは、不動産開発や土地の有効活用に関して豊富な知識や経験、実績があるので、スムーズに事業を進めることができます。
誰でも聞いたことがあるような大手の不動産業者やハウスメーカーも行っている方式でリスクも小さくなるメリットがあります。
例えば、マンションを建設しようとしても、企画や資金計画、建物の設計、募集、建物の管理・運営など複雑で煩わしいことがたくさんあります。
それらをプロに任せることができ、プロのノウハウを得ることもできます。
デメリットとしては、成果報酬を支払わなければならないことと、建設工事費用の負担が大きいということです。
土地信託方式
信託会社や信託銀行に土地を預け、得た利益を受け取る方式です。
大手の銀行も行っている事業で検索すれば山ほど出てきます。
どういった内容になるかというと、
- 所有している土地を銀行に預ける。
- 信託銀行は、その土地に合った活用方法を考え実行する。
- 信託銀行が得た利益の一部を受け取る。
大まかに言うと上記の流れになっています。
先ほどの事業受託方式と同じように、活用方法や事業計画や契約等の手続を全て任せることができ負担の少ない方式になっています。
大きく違うのは、建設工事費用を負担することがない点と、信託契約終了時に建築物も自己名義にできるという点です。
仮に、信託銀行がマンションを建設したとすると、建築費用や管理費用は信託銀行が負担してくれます。
マンション経営によって得られた利益は、信託銀行の利益や諸費用が引かれます。ただし、建設費用の返済にも充てられます。
ということは、建築費用を自己で借り入れはしなくていいのですが、実際には利益から返済しているということになります。
しかし、契約終了後は土地も建築物も自分のものになりますし、契約中も利益を受け取ることもできます。この点は大きなメリットになります。
デメリットは、信託銀行が必ず収益を上げることができない場合は利益を受け取ることはできませんし、追加投資を迫られることもあります。
また、信託銀行の利益や建設費用等の返済に充てられた金額の残りが自己利益となるので、収益性は低くなります。
等価交換方式
所有者が土地を提供し、デベロッパー(不動産開発者)が建築費用をそれぞれ出資し、出資割合に対して土地と建物を分け合う方式です。
土地所有者はお金をかけずに提供した土地の価格によって建物を得ることができますし、デベロッパーも用地取得をスムーズに行えるメリットがあります。
例えば、土地の価格が6億円でアパートが4億円の場合、最終的に土地の6割と、アパートの6割部分を取得することができます。
仮に部屋数が10だとすると6部屋を所有することができるので、家賃収入を得ることが可能になります。建築費用なしで取得できるのは大きなメリットだと言えます。
また、土地をデベロッパーに譲渡することになるので、譲渡益が発生する場合がありますが、この時に発生する課税についても繰り延べの特例を受けることができます。ただし、課税の免除ではないことに注意が必要です。
建築費用を負担することなく建物を得ることができるメリットがありますが、土地の一部を手放さなければならないデメリットもあります。
定期借地権方式
土地を貸して、その地代を得る方式です。
特に使う予定のない土地を所有している人向けの方法になります。
定期借地権方式には、
- 一般定期借地権
- 建物譲渡特約付借地権
- 事業用定期借地権
の3種地がありそれぞれ違う特徴があります。
一般定期借地権
契約期間は50年以上と長く、更新がない方式です。
長期間にわたって使用する予定のない土地の活用方法として利用されます。
また、貸し出した土地の上に建築物を建てられた場合でも、契約終了後には更地にして返却するので、これをメリットとするかデメリットにするかは人それぞれになります。
貸出中は安定して地代を得ることができるので、リスクの少ない活用方法ですが、50年以上の契約なので、契約の途中で別の用途に使用できないデメリットもあります。
建物譲渡特約付借地権
契約期間は30年以上で、契約更新がない方式です。
一般定期借地権と違うのは、
契約期間が30年以上と短い点と、貸出中に建築された建物を契約終了後に買いとるという点です。
建物の買取に関しては、メリット、デメリットがあり、建築物がマンションだった場合は買取後も家賃収入を得ることができますが、空室の目立つマンションであればデメリットが大きくなってしまいます。
事業用定期借地権
契約期間は10年以上50年未満で、こちらも契約更新はありません。
上記2つの方式と違うのは、建築される建物が事業用に限定されることです。
契約期間が短いので、沿道の土地や商業地域に土地を所有している場合に活用される方式になります。
契約終了後の建物は、買い取る義務はありません。
建設協力金方式
商業ビルを建てる場合で説明すると、
土地の所有者が建築することになりますが、その費用は、商業ビルに入居するテナントが出資します。
商業ビルの賃料は、テナントが出資したお金と相殺されることになっています。ようは、賃料は前払いしているということです。
また、建築協力金方式ではテナントがあらかじめ決まった状態で建築していくので、空室のリスクもありません。
少ない投資費用で土地の有効活用ができ、入居したテナントが倒産等しても、建築時の出資金を返還する義務もありません。
しかし、処理が複雑な点、建築物のレイアウト当はテナントが決めるので汎用性の低い構造になるなどのデメリットもあります。
また、落とし穴もあります。
それが、テナントが倒産したときに建築時の出資金を返還する義務がないという点です。
メリットにしか感じないかもしれませんが、建設協力金は賃料として相殺していますが、倒産や中途解約したときに1000万円の建設協力金が残っていたとします。
土地所有者はこの1000万円を得たことになるので、この1000万円に対して重く税金がのしかかってきます。
建設協力金はメリットが大きく感じますが、大きなデメリットもあるので注意が必要です。
まとめ
いかがでしたか?
土地の有効活用は大きく6種類ですが、その6種類の中でも様々な活用方法があります。
どの方法にも大なり小なりのメリットとデメリットがありますし、自分のライフプランと合わせて考えなければなりません。
相続をスムーズに行うためには、どのような活用方法がいいのか?今後、その土地は他に利用する予定はなのか?などなど。
慎重に考えなければなりません。
しかし、『土地を所有しているだけ』で固定資産税を納めなければなりませんし、管理費用だってかかります。
ローリスクローリターンの方法もあるので、所有しているだけの土地があるなら有効活用を考えていきましょう!
【追記1】土地活用で最初に浮かぶのは不動産投資では?
土地活用というワードで最初に思い浮かぶのは、
不動産投資
ではないでしょうか?
所有している土地に合う活用方法がない場合は、思い切って売却してみてはどうでしょうか?
売却して得たお金を資金として、不動産投資を始めてみるのも土地活用の1つのカタチです。
まずは、不動産投資の仕組みなどを調べてみて、検討してみましょう!
【追記2】土地をシェアする新しい土地活用のカタチ
車や自転車、部屋など、さまざまなモノがシェアされる時代になりましたね。
そして、土地もシェアできる時代になったんです!
具体的には自宅の駐車場を登録しておいて、予約が入ればその時間だけスペースを貸すというものになります。
自分の都合のいい時間だけ、人に貸して副収入を得ることができます。
↑コチラの公式ホームページでいろいろなシミュレーションも掲載されていて、月に5万円の副収入を得ている人もたくさんいます。
空いているだけなんてもったいない!
と思っている人は、とりあえず登録をしておいて
- 空いた時間
- 自分の都合のいい時間
などの時間で土地んお有効活用をしてみてはどうでしょうか?
不定期ではありますが、登録すると謝礼(5000円)の贈呈も行っているので要チェックですね!