土地を相続した場合、その土地をどのように使うか迷うと思います。
マンション経営や駐車場経営、太陽光発電による売電収入などなど。土地の活用方法は様々で、どの方法もメリット、デメリットがあります。
そして、上記の活用方法は全てお金がかかります。
マンションの建設費用は莫大ですし、比較的に安価な駐車場経営でも規模によっては多くの資金が必要になります。自己資金がないと土地を有効活用したくてもできません。
銀行で融資を受けてマンション等を建設することはできますが、お金を借りると利息が発生してその分、利益率も下がってしまいます。
また、銀行で高額な融資を受けるという大きなリスクも背負うことになります。
このように、自己資金がないと有効に土地を活用することは難しいと感じてしまいます。
そこで、土地を売るのも選択の1つです。
リスクなしで現金を手に入れることができ、土地の管理費用や税金などのことも考えなくてすみます。土地保有のストレスからも解放されるので、間違った選択ではないと思います。
前置きが長くなりましたが、土地をどうのように使うかは、所有者の状況により様々です。
今回は、タイトルにあるように、売らずに活用したいけど、資金がないからどうすればいいの?というように悩んでいる人に向けての記事です。
自己資金なしでできるオススメ活用方法
土地の活用方法は、
- 売る
- 貸す
- 建てる
- 預ける
が基本です。
『貸す』と『預ける』は同じような意味にみえますが、全然違います。
貸すは、土地を誰かに貸すというそのままのイメージですが、預けるは信託銀行等に信託することを意味します。
信託とは、土地を預けてプロに運用してもらうことです。詳しくは
を読んでみて下さい。
自己資金なしでもできる活用方法ですが、マンション建設は莫大なお金がかかるので、自己資金が豊富にないとできないと思うかもしれませんが、銀行の融資を受けることができれは少ない自己資金で建設することが可能です。
ぶっちゃけ、融資などのローンを利用すれば、どんなことでも自己資金なしでできるんです。
ただし、オススメはできません!
資金をムリに借りてまで土地活用はしない
ローンを組むことができれば駐車場の工事費用や場合によってはマンションだって建てることが可能です。
しかし、賢い活用方法とはいえません。
もちろん土地の立地条件によって変わってきますが、ムリする必要はないということです。
銀行などから資金を借りた場合の利息は、そのまま利益の減少につながりますし、リスクを大幅に増加させることにもなります。
また、素人がマンション経営などを成功させるのはかなり難しく、大変な労力とリスクを負うことになります。
最も安全な、貸すという選択肢
前述したようにマンション経営や駐車場経営は自己資金がある程度ないとオススメできない方法です。
その点、『貸す』という選択肢は最も安全な選択肢の1つです。
『定期借地権』という10年から50年以上を契約期間として土地を貸すことを言います。
最大のメリットは、お金を失うかもしれないというリスクがほとんどない事と、長期に渡り安定した賃料を得ることができる点です。
一般定期借地権
契約期間は50年以上で、契約更新がない方式です。
50年以上という長期間安定した収入を得ることができます。
また、最大の特徴は契約終了後は更地にして返却するという点です。
望まない建物や老朽化した建物も全てを撤去して更地にしてもどってくるので契約終了後も土地活用をしやすくなります。
建物譲渡特約付借地権
契約期間は30年以上で、こちらも契約更新がない方式です。
最大の特徴は、貸し出していた土地の上に建物があった場合、契約終了後に買いとる。という点です。
入居率の高いアパートやマンションが建っていた場合は、それらも引き継ぐことができるので大きなメリットが期待できます。
しかし、空室が多いアパートだと期待していたような利益は望めませんし、入居者が居なくなるまではアパート経営を続けなけらばなりません。
事業用定期借地権
10~50年の契約期間で、こちらも契約更新はありません。
上記2つの方式と違うのは、建てられるものが事業用に限られる点です。
また、契約終了後に建物があった場合は、買取をするかしないか選択できる点です。
コンビニや、ファミレスなど沿道沿いの土地に利用される方式です。
貸すときのメリット、デメリット
単純に『貸す』というだけでもいろいろな方式があり、メリットやデメリットもそれぞれです。
共通的なメリットは、長期間の安定した収入です。
しかし、長期間というのがデメリットにもなります。
基本的に契約中は途中で解約することはできないので、貸し出し中に別の用途に使いたい場合や売却したくなってもできないということです。
金銭的なリスクは小さく、安定感もありますが、突発的な変化には対応しにくいです。
プロに任せる
プロが持っている、経験や知識、資金力、は素人にはマネできないものですし、面倒なことを全て任せることができるのが大きなメリットです。
自分で資金を用意して、事業計画を立てて、テナントや入居者を募集して維持管理して・・・などなど素人にはかなり難しいことも全てを任せることができます。
プロに任せるといっても事業受託方式と土地信託方式があります。
事業受託方式は、プロに業務を任せることができますが、資金を自分で用意しなければなりません。自己資金がなければ難しいですし、融資を受けるにしても利息やリスクがついてきます。
また、成果報酬も支払わなければなりません。
オススメは土地信託方式
一方の土地信託方式は、土地そのものを預けて、プロに運用してもらい、運用で得た利益を配当金という形で受け取ることができます。
土地を預けるだけでわずらわしい業務や難しい計画、資金をプロが一括してくれます。
リスクも少なく、信託銀行などの信用できる大きな企業が運用してくれるので、安定した収入を得ることも可能ですが、配当金を受け取る方式のため利益が少なく感じることもあります。
また、信託中に建設されたマンション等の建物は、契約終了時に受け取ることができるため、そのまま事業を継続できるメリットもあります。
特殊な等価交換方式
自己資金なしでできる活用方法のうち、等価交換方式は少々、特殊な方法です。
自分自身は土地を提供して、デベロッパーと呼ばれる土地開発業者が建物を作り、工事終了後に、それぞれの出資額に応じて土地と建物を分割する方式です。
土地を提供するだけで、建築物の一部を手に入れることができますが、同時に土地の一部を失うことにもなります。
このように、他の活用方法に比べると特殊ですが、デベロッパーが高層マンションを建てた場合、そのうちの数部屋を出資金なしで手に入れることができ、その後は家賃収入を得ることができます。
まとめ
いくつかの活用方法を紹介してきましたが、まとめると
- 定期借地権
- 土地信託
- 等価交換
この3つが自己資金なしで土地を有効に活用する方法です。
それぞれにメリットもデメリットもありますし、土地の状況(広さ、立地等)により最良の選択肢は変わってきます。
土地という大きな資産を保有している人は、これだけメリットを享受できる可能性があるんです!土地を購入して、土地信託して・・・となると利益をあげることはかなり難しいことなので、土地をすでに保有していて、特に使用していない人は是非、土地の有効活用について考えてみて下さい。