2級ファイナンシャル・プランナー有資格者の子育て奮闘パパです。
3人の息子のシングルファザーで、男4人で毎日たのしく暮らしています!
さて、今回紹介するのは『ETF』です。
ETFは、投資信託にはないメリットがあり、さらに投資信託のデメリットを補うという、とても優れて投資方法です。
何に投資しようか迷っている人、投資信託に投資しようと考えている人は、まずはETFを学んでから投資先を決めることをオススメします。
ETF投資と、投資信託や株式投資の違いは?FPがオススメする資産運用!
ETFは、上場している投資信託のことで、市場が空いている時間なら株と同じように取引を行うことができます。
基本的には投資信託と同じ仕組みになっていて、投資信託に『自由度』をプラスしたのがETFとなります。
投資信託と株のメリットも備えている
専門知識、分析、調査が不要
ETFも投資信託と同じよにファンドが運用していて、運用方針は『インデックス型』です。
日経平均株価や、東証株価指数などの指数に連動するように設計されています。
株式投資では、個別に銘柄の分析や調査をして、これから株価がどのように動くのかを分析して投資をしなければなりません。
そのため、株に対する専門知識が必要不可欠です。
しかし、ETFは投資信託の一種で、運用は『投資のプロ』が行います。
プロが運用をしてくれるので、私たち個人はETFを選んで買うだけで投資をすることができるため、専門知識も必要ありません。
これが、投資初心者にオススメな理由ですね。
分散投資
ETFはインデックス型の運用になっています。インデックスとは前述したように日経平均株価のような指数のことですね。
例えば、日経平均株価を指数とするETFに投資した場合、日経平均株価が上昇すれば、投資したETFも上昇することになります。つまり、日本経済全体に分散投資したのと同じ効果を得ることができるんです。
また、指数になるのは、国内だけでなく、海外の指数に投資するETFも存在しています。
例えば、S&P500を指数とするETFに投資すると、米国の市場全体に投資するのと同じ効果をえることになります。
国内やアメリカだけでなく、先進国を対象とする指数や、新興国を対象とするもの、世界全体を対象とするものなど、様々な指数があり、簡単に分散投資をすることができます。
低資金
分散投資をするためには、多くの資金が必要となります。
例えば、株式を1銘柄購入するためには、数十万円単位の資金が必要です。
株式で分散投資をするには、数銘柄に投資しなければ効果が得られないため、数百万円の資金がないとできないことになります。
しかし、ETFだと1口数万円で購入できるものがほとんどです。
たった1口という少額で分散投資できるのもETFのメリットとなります。
低コスト
投資をするには、購入代金のほかにも様々なコストが発生します。
購入するときに発生する『販売手数料』や、ETF運用中に、ファンドに支払う『信託報酬』などです。
数あるコストの中でETFで最も重要とされているのが、『信託報酬』です。
信託報酬は、自分のかわりに資産を運用してくれているファンドに支払う報酬のことで、利益が出ていてもいなくても発生するコストです。
例えば、絶大な人気を集めている投資信託、『ひふみプラス』の信託報酬は1.0584%です。
100万円を運用していた場合、約1万円が毎年資産から引かれていくことになります。これは、利益があっても無くてもです。
一方、『上場インデックスファンドTOPIX』という日興アセットマネジメントが運用しているETFの信託報酬は、0.09%です。
同じように100万円を運用していても年間で900円です。
ETFの方が圧倒的に低コストで運用できることがわかると思います。
分配金
ETFも投資信託と同じように『分配金』というものがあります。
分配金とは、運用によって得られた利益を、投資家に還元するもので、株式投資の配当金と同じような仕組みになっています。
分配金は1%~2%が平均的で、運用している資産に対するパーセンテージが配当されます。
投資信託の分配金と基本的には同じですが、ETFの場合は、分配金を再投資することができません。
再投資する場合は、1度分配金を受け取って、サイドETFを購入して再投資するしかありません。
値上がり益
ETFは、株式と同じように上場しているため、常に値段が変動しています。
安いときに買って高いときに売るというように、差額で利益を得る方法もETFでは可能です。
将来的に株式投資を考えている人は、低コスト・低資金で始めることのできるETFで売買の経験を積むこともできますね。
インデックス型のデメリットを補う
インデックス型の投資はアクティブ型に比べて勝率が高く、初心者にオススメされていますが、注意も必要です。
インデックス型の変動リスク
インデックス型の投資信託は、指数に連動するように設計されているため、景気が好調のときは安定して利益を出していくことができます。
コチラの記事にあるように、インデックス型とアクティブ型を比べたとき、圧倒的に『インデックス型』の勝率が高いことがわかりますね。
しかし、景気は常に良いわけではありません。いいときもあれば悪いときも絶対にあります。
上図は、日経平均株価の1970年からの推移を表したものです。
このように、日経平均株価は上がったり下がったりを繰り返していているのがわかります。
コチラは直近5年程の日経平均株価を表したものです。株価も約2倍になっていて景気が良いことがわかります。
この期間にインデックス型の投資信託を運用していれば、上図と同じような利益を得ることができていたことになります。
しかし、株価が下がっている状態(不景気)のときは株価は下がり続けていくので、インデックス型の投資信託も同じように価値を下げていくことになります。
このように、勝率に優れるインデックス型でも、『ある期間』を切り抜いてみたときは損失を出していることは多々あります。
購入したETFが半分の価値になることもあるんです。
長期間で見れば勝率が高く、安定して資産を増やすことができると言われているインデックス型ですが、一時的な『含み損』に耐えることができるかが重要なんです。
ETFは売買が自由
不景気のときにインデックス型のETFに投資していた場合、高確率で『損失』を抱えることが予想されます。
価値が下がるとわかっているETFをじっと我慢して保有しているのは精神的にもキツイものです。
そんなときは、『売ってしまう』ことができるのもETFの魅力です。
信用取引ができる
ETFは株式と同じように上場しているため、『信用取引』をすることができます。
信用取引とは、自分の持っている資産以上の取引ができ、空売りと呼ばれる取引もできる仕組みのことです。
ETFの売買益を狙って投資する場合、
安いときに買って、高いときに売れば差額が利益となりますよね。
空売りは逆に、
高いときに売って、安いときに買うという手法で、下げ相場でも利益を狙うことが可能な手法です。
厳密に言うと、高いときに証券会社から借りて売り、安いときに買い戻して証券会社に返す仕組みです。
また、信用取引を行うと自分の持っている資産以上の取引をすることができるため、より大きな利益を得ることもできますが、反対に大きな損失になる可能性もある『諸刃の剣』と言えます。
初心者は、まずは信用取引をしないで『現物取引』で資産を増やし、経験を積んでいくほうが無難ですね。
ETF投資に向いている人
ETFは初心者はもちろん上級者の人まで幅広い人にオススメの投資です。
- 1万円~数万円という少額で投資できる
- 運用のコストが低い
- 上場しているため自由度が高い
- 分散投資の効果を得られる
- 変動リスクが小さい
これらがETFの優れたポイントです。
特に、少額で始めることができ、リスクが小さい点で初心者向けの投資と言えます。
長期に投資できる人
ETFで利益を出すために1番大事なことは『長期保有』です。
前述したように、景気は、好景気と不景気を循環しながら推移しているため短期的にみれば損失を抱える時期もあります。
ETFの価値が目減りしているときでも、じっとこらえて我慢できる人、ETFの仕組みを理解して長期で保有する意味が分かっている人に向いている投資先です。
3か月で資産を10倍に!という考えの人にはETF(投資信託を含め)は向いていないと言えます。
ETFの選び方
ETFを選ぶ上で重要なのは、『信託報酬』とインデックスとする『指数』です。
まず、信託報酬はETFを保有している間、常に発生するコストなので十分に吟味が必要です。
ただし、信託報酬が高い=ダメなETF
信託報酬が安い=いいETF
ということにはなりません。
これまでのETFの実績や成績、採用している指数などを考えて判断しなければなりません。
採用する指数は、できるだけ自分に近い指数がオススメです。
初心者がETFを始める場合は、海外の指数よりも、日本の指数をインデックスにしているETFの方が情報収集がしやすいですし、状況も判断しやすいからです。
海外の少しマニアックな指数を採用しているETFは、情報が入りにくくなるため、初心者には不向きと言えます。
まとめ
ETFは初心者~上級者のすべての人にオススメの投資ですが、特に初心者はETFから始めることをオススメします。
投資には『リスク』があり、資産が減ることもあります。株式投資の場合、保有していた銘柄の会社が倒産したら株が紙切れになることもあります。
しかし、ETFは日経平均株価などの指数に投資しているため、極端に言えば日本がなくならない限りは『紙切れ』になることもありません。
また、指数の価格変動は大きく動いても数%ほどです。
いきなり多くの資産を失うこともありません。(いきなり大きな資産を得ることも難しいですが)
その他にも、運用コストが低いことや少額で始められる点など。
投資の入り口として、ETFは非常に優れていると言えます。
何に投資するか迷っている人は、ETFを選択肢に入れて考えてみてはどうでしょうか?